待ち合わせ場所は池袋駅地下構内の待ち合わせスポット“イケフクロウ”の前。約束の5分前に到着すると、イケフクロウの像から少し離れた所にユウナちゃんが立っているのを発見した。
ウヒっ! 写メ通りで可愛いじゃねぇかッ!!
中肉中背といった感じのユウナちゃん。胸の膨らみもそれなりにありそうで、なかなかのセクシーバディだ。
走って駆け寄りたくなったが、はやる気持ちを抑え込みながらゆっくりと近づいていく。
「お待たせ。ユウナちゃん」
「あ! ショーイチさん?」
「うん。今日は誘ってくれてありがとうね」
「こちらこそ、急に連絡しちゃってごめんなさい」
「謝ることなんてないよ。背中に羽が生えて飛び上がりそうなくらい嬉しかったよ」
「ええッ? なんですか、それ」
「それくらい嬉しかったってことだよ」
「フフフ、おかしなこと言うんですね」
「と、とりあえず立ち話もアレだから、歩きながら話そうか?」
「はい」
地下構内を北上し、北口階段を目指しながら会話を続ける。
「それにしても本当に驚いたよ。まさか連絡もらえると思ってなかったからさ」
「そうですよね。急な連絡でごめんなさい」
「どうしてまた俺に連絡くれたのかな?」
「い、以前あのサイトに書き込んだ時、なんとなくいい人そうだなって思っていて…」
「それで覚えていてくれたんだ。あの時ってどれくらい前のことなんだっけ?」
「去年の12月くらいだったと思います。結局あの時は誰とも会わずに終わっちゃって…」
「そうだったんだぁ。あの時に返信もらえなかったから、完全に諦めてたよ」
「たくさんメールもらって、少し怖くなっちゃったんです。でも、ショーイチさんからのメールだけは覚えていたんです」
「あれ? そんなに印象的な事を書いてたっけ?」
「い、いいえ。でも、他の人と違ってこの人なら安心そうだなって思ったんです」
「うん。それだけは神に誓って保証するよ。もう気が付いてると思うけど、俺ってMっぽいでしょ?」
「え、Mですか?」
「うん。女性に奉仕することに喜びを感じるMなんだ。だから、女性が嫌がる真似だけは死んでもできないんだよ」
「フフフ、なんとなく分かります。しゃべりかたも優しそうだし、すっごく紳士的ですよね」
「し、紳士? それはちょっと違うよ。俺なんてエロの塊みたいなものなんだから」
「か、塊ですか?」
「うん。朝から晩までエッチなことばっかり考えてるし、ユウナちゃんみたいに綺麗なコを見るとすぐに勃起しちゃうんだ」
「ええっ、そんな…」
普段から可愛いだの綺麗だのと言い慣れているであろうユウナちゃん。そこで少しヒネリを加え、勃起というワードを足してみたのだ。
おっ? 意外とウブな反応じゃネ!?
ユウナちゃんはこちらの言葉に反応し、恥ずかしそうに下を向く。意外と褒められ慣れていないのかもしれない。
このまま畳みかけることはせず、他の話題に切り替えてみることにした。ここで下手に褒め過ぎたら、警戒されてしまうかもと考えたのだ。