全て計算づくだ。
あえて会話の途中で可愛いと伝え、様子を探ってみる。
突然褒められた恥ずかしさのせいだろうか、アイリちゃんの歩く速度が少しばかり遅くなった。
むむっ!?
一般的に可愛いと言われそうなアイリちゃんだったので、可愛いの一言でここまで反応するとは予想外だった。きっと褒められることに慣れていないのだろう。
いつもならここで畳みかけるところだが、あえて話題を変えることにした。
「アイリちゃんは今19歳なんだよね?」
「あ、はい。去年の10月で19歳になりました」
「ってことは今年20歳になるんだ。大人の仲間入りだね」
「そ、そうですね」
うーん、残念。彼女の誕生日があと数カ月遅ければ筆者の2020年が始まっていたはずなのに…。
もっとも彼女が18歳でサイトに登録していたら、筆者より先に多くの男性ユーザーがアプローチしていたかもしれない。
その後、ホテル街の入り口にあるコンビニで飲物を購入してからお目当てのラブホにチェックイン。
部屋に入ってまず一安心。ここまで来たら逃げられることはまずないので、少し突っ込んだ質問をしてみることにした。
「ね、アイリちゃんって男性経験はどれくらいなのかな?」
購入してきたペットボトルのジュースを彼女に差し出しながら、ついでのような感覚で聞いてみた。
「え、えっと、5人くらいです」
これは予想外だった。男性に慣れていない感じのアイリちゃんだったので、もっと少ないとばかり思っていた。
「ふーん、そうなんだ。それって高校生の時の話なの?」
「こ、高校の時はふたりだけでした」
ということは卒業してからまだ1年も経っていないというのに、3人とお付き合いしていることになる。
案外股が緩いのかも?
こんなコも大好きだ。ウブそうな見た目とのギャップにメラメラと燃えてしまう。
「ごめんね。変な質問ばかりして」
「い、いえ。平気です」
「それじゃあ、ついでにもう少し教えてほしいな」
「は、はい」
「エッチでイッたことはあるのかな?」
「あ、あります」
「それって、クンニとか手マンの愛撫で? それともピストンで?」
「り、両方です」
これまた予想外の答えだ。
嗚呼、どうすんべ?
筆者の脳みそがフル回転し始める。
二度目以降のデートを期待して紳士的に振る舞うべきか? それとも、微粒子レベルで存在する二度目のデートの可能性を捨て、とことん楽しむべきか?