「やっぱりダメですか?」
開口一番、おどおどしながらそう聞いてきたマリナちゃん。きっと罪悪感があったのだろう。
こうも下手に出られると、無碍な態度を取れなくなってしまう。
「そ、そんなことないよ」
彼女に同情してしまい、思わずそう答えてしまった。
だが、こちらの表情に迷いを感じとったのだろうか? マリナちゃんがここでダメ押ししてきた。
「わ、私、生でも大丈夫なんです」
いきなりの生エッチOK宣言だ。捕らえた獲物を逃さないよう、彼女も必死なのだろう。
こうもお膳立てされてしまったら、大人しく彼女に補足されるしかない。
「そ、そうなんだ。ピルでも飲んでいるのかな?」
「い、いいえ。そ、そういうわけではないんですが…」
生がOKの理由を教えてくれないマリナちゃん。もしかしたら生理が終わっているのかもしれない。自分が閉経していることを見ず知らずの男性に教えたくないという心理なのかも?
これ以上深く聞くのはマナー違反だ。そこで肝心なことを聞いてみる。
「じゃあ、中で出しても大丈夫ってことなのかな?」
「は、はい。お望みなら…」
「ありがとう。とりあえずここじゃあなんだから、歩きながら話そうか?」
「はい」
アルタ前を離れ、ホテル街に向かって歩き始める。
横目で彼女を観察すると、顔の造形は悪くないことが判明。80年代アイドルの松本伊代を彷彿とさせる感じで、若い頃はそれなりにモテていたのかもしれない。
しかし、胸の大きさは期待できない。着衣の状態なのでハッキリとは分からないが、ガリガリ体型に相応しい貧乳のように思えた。
いつもなら難易度の高さにゲンナリするところだ。だが、中出しOKというご褒美を提示されたらテンションが下がるわけもない。
そんな事を考えながら歌舞伎町を縦断していると、いつもより周囲の視線を強く感じた。
ガリガリのばばぁとホテルに行くのか? まあ、お似合いのカップルだよな。
すれ違う人たちのそんな心の声が聞こえてくるようだった。途端に気恥ずかしくなる筆者。
フと隣を見ると、マリナちゃんは首に巻いていたマフラーを口元まで上げていた。こちらの気持ちを察したわけではないだろうが、彼女も周囲の視線に耐えられなくなったのかもしれない。
ここで下手に話しかけるのは逆効果だと判断し、そのまま無言で歩き続ける。
そして、ホテル街に入ってすぐの所にある激安ラブホにチェックイン。
ほっ。
これで一安心。遠慮容赦のない好奇の視線から逃れることができた。
室内に入り、改めて聞いてみることにした。
「本当に中で出して大丈夫なの? 怖かったら普通のセックスでもいいんだよ」
中出しする気満々だったのだが、あえて尋ねてみたのだ。