キュンっ♪
筆者も自衛のため、出会ってすぐに己のスケベ面をアピールしている。少しでも傷を浅くするための涙ぐましい行為なのだ。
ヨーコちゃんも同じなのだろう。それゆえ、同族意識が働き、彼女のことが愛しく思えてしまった。
ここで改めて彼女の顔を見る。
黒髪のショートヘアで、顔の造りはモーニング娘。’19の現リーダーである譜久村聖に似た感じ。
他人の妻であることは百も承知だが、横恋慕したくなるくらい可愛らしい。
「ん? ヨーコちゃんがデカイ? 俺には綺麗なひとりの女性にしか見えないよ」
「え、あ、あの、ありがとうございます」
「じゃあ、このままホテルに行くってことでいいかな?」
「はい! お願いします」
こうしてホテル街に向かって歩き始める。
周囲の目があるので、必要以上に距離を縮めず彼女の歩調にあわせてエスコートする。
「ヨーコちゃんはよく新宿には来るのかな?」
「はい。月に数回くらい、買い物とか友達との食事とかで来ますね」
「それじゃあ、万が一を考えてもう少し離れて歩いたほうがいいんじゃない?」
「だ、大丈夫だと思います。今くらい離れていれば十分ですから」
「了解。でも念のため、少し先を歩くからついてきてね」
「はい。気を使ってくれてありがとうございます」
こちらが半歩先を行く形になったので、歩きながらの世間話ができなくなってしまった。
振り向いたらヨーコちゃんが消えているかもしれない…。そんな不安を抱えながらホテル街に到着。
歩調を少し緩めると、視界の端で彼女の姿を捉えることができた。まずは一安心だ。
しかし、これ以上無言で歩くことに耐えられなくなったので、ホテル街に入ってすぐのラブホテルに入ることにした。
平日の真昼間ということで、すんなりとチェックインすることに成功。ようやく部屋でふたりきりとなり、落ち着いて話をすることができるようになった。
「答えたくなかったら無理に言わなくていいからね」
「え?」
「旦那さんとのエッチには満足できていないの?」
「はい。そ、そうですね」
「サイトには月に1度くらいしてるって書いてたけど…」
「主人とのエッチには恐怖しか感じてないんです」
「ど、どういうこと?」
「いつも、私がペロペロして、大きくなったらすぐに入れてきてお終いって感じなんです」
「へ? それじゃあアソコが痛くなっちゃうでしょ?」
「はい。いつも痛くなるけど、我慢するしかないので…」
「ひ、避妊はどうしてるの? それとも子作りが目的なの?」
「一応、ピルで避妊してます。主人がまだ子供は欲しくないというので」
なんて自分勝手な旦那なのだろう。ピルの服用という枷を女房に背負わせているくせに、愛撫のひとつもしないだなんて。