【女と男の隔たり】変態な女


 それからも僕は、何度か先生の家に行った。先生は朝練があると言いながらも、ちゃんと朝にセックスをした。

 しかしある日、急に先生のラインが遅くなった。その中で「先生の家に行きたい」とラインを送ると、


「ごめんね、もうさよならかな」


 と返事がきた。

 僕は今まで、ずっと自分で選んできたと思っていた。この女性ならヤレる、この女性とはヤリたくない、と。

 でもそれは同時に、僕も女性から選ばれていたということだ。選ばれているのに選んでいると錯覚していた自分は、なんて傲慢なのだろうと思った。

 先生は先生自身の欲求に従って僕を選んでいた。おそらく、入れる側の僕のような男よりも、入れられる側の女性の方が、ちゃんと相手を選んでいるのかもしれない。それが変態な女性ならなおさら。

 「変態な女」という人種は、自分の欲求に素直な人たちだった。そして自分自身で「変態」というものを選びとっていた。誰構わずセックスするとか、そんな人種では決してない。

 そんな「変態な女」に選ばれるような人間になりたい、と僕は思った。女を選ぶ男ではなく、女に選ばれるような男に。

 ラインに既読をつけ、「ありがとうございました」と返信し、トークを削除する。先生はもう、どれだけセックスがしたくなったとしても、僕を選ばないだろう。そんな気がした。

 ふと、ある考えが頭をよぎる。

 今の時代、なんとなくだが、男が女を選んでいるように思える。告白もプロポーズもだいたい男。僕はあなたを選びます、あなたはそれを受け入れます。その行為に、男が選んだというニュアンスをどうしても感じずにはいられない。

 それはセックスでも同じだ。僕はあなたに入れます、あなたはそれを受け入れます。

 そんな時代は、もう終わるのかもしれない。先生のような女性が増えれば、極端に言えば男は選べなくなるかもしれない。

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