「試す?」
「勉強したことが、本当に女のコが喜んでくれることなのか知りたくて」
「隔たりさんって真面目なんですね」
「真面目かな?」
「いいですよ」
「え!? いいの?」
「はい。隔たりさんの相手になりますよ」
「ありがとうございます!」
こうして僕はまゆきちゃんとセックスをすることになった。
その後、まゆきちゃんから「その変わりたくさん気持ちよくしてくださいね」と返信があり、僕は思わずニヤついてしまった。
経験人数2桁超という女のコとのセックスってどうなんだろう、やっぱり慣れてるから凄いのかな、AV女優さんみたいにエロいのかな、と僕の妄想はとまらなかった。
「頑張ります!」と返信した時点で、まゆきちゃんにセックスさせていただく、という上下関係が成立していた。彼女もそれを理解してか、「ホテル代はお願いしますね」としっかりと送ってきた。僕は「もちろんです」と返した。
新宿駅の西口の改札前で、まゆきちゃんと待ち合わせ。約束の場所につくまで、僕はものすごく緊張した。セックスすることに緊張していたというのもあるが、このときまで僕はまゆきちゃんがどんな顔をしているかも分からなかったのだ。
前日、「待ち合わせに困るから」とお互いの写メを交換しあった。まゆきちゃんから送られてきた写メにはふたりの女性が写っていた。ひとりは清楚系で可愛いかったが、もうひとりはお世辞にも可愛いとは言えなかった。
写メをもらったときは、「まゆきちゃんかわいい!」と心の中でガッツポーズをした。しかし、その後になって、どっちがまゆきちゃんなのか聞いていないことに気づいたのだった。