「隔たりさんは何人ですか?」
そう聞かれて、思わず「5人くらいかな?」と打ち込んだ。だが、なんかダサいよな、実際は1人なのに人数盛る感じはダサいよなと思い直し、「恥ずかしながら1人です」と素直に送った。
「恥ずかしくないですよ! チャラついていることを自慢しているほうが恥ずかしいです」
そんな返事があり、「めっちゃ良いコだなあ」と思った。
僕はネットで知り合った人と直接会ったことはなく、会おうとも思っていなかった。だが、僕はまゆきちゃんに会いたくなった。性に対して自分なりの考え方をしっかり持っていそうなまゆきちゃんの話を、たくさん聞いてみたくなった。
それから、「このコはどんなセックスをするのだろう?」という興味がわいた。
僕はまゆきちゃんに、「実は初体験がうまくいかなくて」と打ち明けた。続けて、「何をすれば女のコは嬉しいのか? 痛い思いをさせないためにどうすればいいのか?」と聞いた。
まゆきちゃんは僕の質問に対して丁寧に答えてくれた。いろいろと答えてくれた後、「要は前戯をちゃんとやることが大切ですよ」というメッセージがあった。
前戯――。
はじめてセックスにトライをした日。僕が気づいたことは、「どういう流れで挿入までいけぼいいかわからない」ということだった。
僕は自分なりに前戯についての勉強を始めた。AVは参考にしないほうがいいと聞いたことがあったので、ネットや雑誌、本やマンガから情報を集めた。だが、結局よくわからなかった。
まゆきちゃんから「前戯が大切」というラインがきたとき、率直に「前戯を教えてほしい」と思った。そして僕の妄想は飛躍し、まゆきちゃんに直接前戯を教えてほしい、というところに辿りついた。
とはいえ、「前戯を教えてください!」とは言えなかったので、「実は前戯についてけっこう勉強しまして」と前置きし、「試してみてもいいですか?」と送った。