無事にチェックインし、部屋でふたりきりになる。
「ねぇ、アカリちゃん。どんなエッチが好きなのか教えてくれる?」
「えっ?」
「いきなりでゴメンね。俺の性癖なんだ」
「ど、どういうことですか?」
「俺って、とにかく女性が喜んでくれないと興奮しないんだ。だから、今日はアカリちゃんの望むようなエッチにしたいんだ」
「か、変わってますね」
「うん。でも、どうせエッチするなら女性にも思いっきり感じてほしいんだ」
「フフフ。優しいんですね」
「優しいんじゃないよ。俺の性癖なんだって!」
「は、はい」
「それで、どんなエッチが好きなの?」
「うーん、やっぱり優しく愛されたいです」
「へ? それだけ?」
「だ、ダメですか?」
「ううん、ダメじゃないよ。でも他に何か思いついたら、エッチの最中でも構わないから教えてね」
「はい。分かりました」
その後、別々にシャワーを浴び、彼女のリクエストで室内を暗くすると、いよいよベッドイン。
「それじゃあ、リラックスして楽しんでね」
「は、はい」
「神に誓ってアカリちゃんの嫌がるようなことはしないから安心してね」
「わ、分かりました」
ゆっくり顔を近づけ、キスを仕掛ける。
ギュムムっ。
唇と唇が触れた瞬間、彼女の口の周囲の筋肉が強張ったように思えた。
実際、アカリちゃんは真一文字に口を閉じていた。
これはディープキスお断りという意思表示だろう。
せっかくここまで盛り上げてきたのに拒まれるなんて…。
途端にテンションがダダ下がりになった。