おっ♪ ギャルっぽいじゃん!
まず目についたのは、明るい茶色の髪だった。ショートカットで少々ボーイッシュな感じだ。
彼女との距離が縮まると、顔もはっきり分かってきた。なかなかの美形で、女優の宮沢りえの若い頃に似ている感じだ。
さ、サンタフェ!
30年近くも前に発売された、宮沢りえのヌード写真集のイメージが頭に浮かんだ。
当時、貧乏学生だった筆者は、金銭的余裕がなく買えなかった。しかし、新聞の一面に出た広告を保管し、オナネタとして何度も活用させてもらった。
くーっ! こういう出会いがあるから出会える系サイト遊びは止められないんだよなぁ。ウヒっ!
すけべヅラにならないよう顔の筋肉を引き締め、ゆっくり彼女に近づいていく。
目が合ったところで、軽く会釈しながら挨拶する。
「初めまして、ゆずチャン」
「あっ、はい」
「さっきサイトで約束させてもらったショーイチだよ。今日はよろしくね」
「こ、こちらこそ、よろしくお願いします」
「ここで立ち話してると周りの邪魔になるから、そこの階段を降りて話そうか?」
「は、はい」
彼女を地下街に誘導し、会話を再開させる。
「いやぁ、びっくりしたよ」
「えっ?」
「こんな可愛いコが来るとはこれっぽっちも思ってなかったから、すっごくドキドキしてるんだ」
「ええっ! そ、そんなことないですよ」
「いやいや、そんなことあるって。俺、いつもはもう少しクールなんだよ」
「えっ?」
「でも、今の俺の顔を見て? すっごくニコニコしてるでしょ?」
「は、はい。そうですね」
「嘘がつけない性格だから、嬉しいとそのまま顔に出ちゃうんだ」
「フフフ。すごく褒めてくれるんですね」
「褒めてなんかないよ。ただゆずチャンが可愛くて嬉しいって報告してるだけだって」
「そうやっていつも女性を褒めてるんじゃないですか?」
「それは誤解だよ」
「だってショーイチさん、女性を扱うのに慣れてそうですよ」
「そんなことないって! 男だらけの職場だから、丸一日女性と話さないこともしょっちゅうなんだよ」
「ええっ、本当ですか?」
「うん。だから今も、めちゃくちゃ緊張してるんだから」
「そうは見えないですけど…」
「本当だって。俺の心臓触ってみる? すっげぇバクバクしてるんだよ」
「フフフ。分かりました」