本当は店の名前や源氏名も聞きたいところだったが、プライベートにずかずかと踏み込み過ぎるのは危険だろう。
ここまで来て翻意されるわけにはいかない。慎重し過ぎるくらい気を使いながらやり取りし、翌週の水曜日に待ち合わせすることになった。
待ち合わせ場所は池袋。彼女が渋谷勤務ということだったので、少しでも遠いほうがいいだろうと思ってのことだ。
約束の10分前に筆者が到着すると、すでにM美チャンらしき女性が立っていた。
ま、マジかよっ!
画像加工で肌を白くしているのかと思っていたが、それは大きな勘違いだった。遠くから見ても、M美チャンの肌の白さは際立っていた。
筆者はこれまでいろんなタイプの女性に惚れてきたが、容姿はバラバラで統一感はない。ただ、肌が白くて綺麗な女性に惚れやすい傾向にあるのは間違いない。
だから、M美チャンを一目見た瞬間、メロメロになってしまった。いわゆるZokkon命(ゾッコンラブ by シブがき隊)状態だ。
吸い寄せられるように彼女に近づき、声をかけた。
「お待たせ、M美チャン」
「あっ、はい」
「もしかして、待たせちゃったかな?」
「い、いいえ。さっき来たばかりです」
「いやぁ、驚いたよ」
「えっ?」
「てっきり、画像加工で肌を白くしてるのかと思ったら、実物のまんまだったんだね」
「えっ?」
「その肌の白さだよ。遠くから見てもすごく綺麗で、目立ってたよ」
「フフフ。コラム通りですね」
「ん?」
「女性を褒めるのがすごく上手ですね」
「んなことないって。俺は今、これっぽっちも褒めてないよ。見たまんまのことを口にしているだけだよ」
「あ、ありがとうございます」
「俺の送った画像も何も加工してなかったけど、実物を見てガッカリしていない?」
「そんなことないです。本当に優しそうで、他の読者さんが言っていた通りですね」
「そ、そうかなぁ? でも、M美チャンが想像してる以上にスケベだよ、俺」
「はい。楽しみです♪」
「それじゃあ、このままホテルに向かうってことでいいかな?」
「はい」
こうして、北口階段から地上に出て、ホテル街に向かうことになった。