「さぁ、狭いところだけどあがって」
「は、はい。お邪魔します」
「まずはお茶でも入れるよ。座ってゆっくりしていてね」
「ありがとうございます。あっ、そうだ! お土産があるんですよ」
「えっ?」
「ショーイチさん、甘い物好きでしたよね?」
「うん」
「東京駅で買ってきたあんみつがあるので、一緒に食べませんか?」
「ありがとう! それじゃあ、お茶を飲みながら食べよう」
小さいテーブルを挟み、向かい合ってあんみつを食べる。
「ねぇ、N子ちゃん。怖くなかった?」
「えっ? 何がですか?」
「俺の家に泊まることがさ」
「怖くなんてないですよ。だって、ショーイチさんとは何回も会っているし…」
「そうだよね。ありがとう」
「えっ?」
「つまり、俺のことを信用してくれているってことだよね?」
「そうですね」
「本当に嬉しいよ」
「そ、そんなぁ。私のほうこそありがとうございます」
その後、近況報告など話に花を咲かせ、1時間くらい経ってからN子ちゃんにシャワーを浴びるよう促した。
「このバスタオルを使ってね」
「あ、ありがとうございます」
「俺はパソコンで仕事しながら待ってるから、慌てなくていいからね」
「は、はい」
筆者の家には脱衣所がないので、浴室のドアの前でスルスルと脱ぎ始めるN子ちゃん。
筆者はそんなN子ちゃんに背を向けるカタチでパソコンの前に座った。
背後から聞こえてくる衣擦れの音に、振り向いて裸体を拝みたい衝動に駆られる。
ここは我慢のしどころだ。どうせならベッドの上で正々堂々と拝んだほうが嬉しいに決まっている。
彼女が浴室に入ると同時に、リビングの暖房を最強にした。3月とはいえまだまだ寒かったので、N子ちゃんが湯冷めしないようにと考えたのだ。
その後、入れ替わりで筆者もシャワーを浴びた。