イククルに“ぽっちゃり”と書き込んでいたジュリちゃんは、この時、“ぽちゃぽちゃ”と表現していた。
確かに、“ぽちゃぽちゃ”のほうが“ぽっちゃり”よりデブに近い印象がある。本人もそれなりに自覚しているのか、正直にそう告げてきたようだ。
この体型のせいで、顔パスされることもしょっちゅうなのだろう。だから、自分から「大丈夫なのか?」と聞いてきたわけだ。
ここで正直にゴメンと言うわけにはいかない。すでに「行こうか?」と声をかけていて、暗に「OK」だと伝えているのだから。
彼女の「大丈夫なのか?」発言が先なら展開は違っていたかもしれないが、もう後に引けない。
「もちろん大丈夫だよ。ジュリちゃんは最初からそうサイトに書き込んでたでしょ?」
「ほ、本当に平気なんですか?」
「うん。あっ! 俺のほうこそ聞くべきだったね。こんなスケベそうな野郎だけど、ジュリちゃんは大丈夫?」
「はい! もちろんです!」
笑みを浮かべ、即答するジュリちゃん。愛嬌は十分あり、一般企業でOLをしているだけあって、常識も兼ね備えているようだ。
これなら途中でチンコが萎むようなこともなく、たっぷり射精できそうだ。
ホテルに向かって歩きながら、当たり障りのない会話を続ける。
「ジュリちゃんは、よくこのサイトを使うのかな?」
「えっと…。3カ月前までは彼氏がいたので使っていなかったです」
「ってことは、彼と別れてから使い始めたんだ?」
「そ、そういうことになります」
「やっぱりエッチ目的だよね?」
「は、はい」
「性欲が強いって書き込んでたでしょ? そんなにエッチが好きなんだ?」
「そ、そうですね…」
相手のレベルが低い場合、遠慮なくずけずけと質問してしまう筆者。
たとえ嫌われてもダメージは少ないし、2度目のデートはこちらから御免被りたいので、どうしてもデリカシーに欠けてしまうのだ。
歌舞伎町を横断してホテル街に向かう途中、どうしても周囲の視線が気になってしまった。
ジュリちゃんは嫌でも人目を引いてしまう体型なので、好奇の視線が容赦なく降り注いできたのである。
ならばと、いつもより少し早いテンポで歩き、ホテル街に到着することになった。
筆者が選んだのは、界隈で一二を争う激安ラブホだ。レンタルルームを使えばもっと安く遊べるが、あまりにもチープなところだと、気持ち良さより虚しさが勝ってしまうことになる。
激安ラブホということで、部屋はやはり狭い。そんな部屋でぽっちゃり体型の彼女と相対していると、いやでも圧迫感が増してくる。
待ち合わせ場所からここに来るまで、愚息はずっと静かなままだった。最後に射精してから24時間以上経っているので、普通ならギンギンにいきり立っているはずなのに…。