【ネットナンパ】もっとして!と言わんばかりにピストンを操作する29歳の非モテOL


「それじゃあ、行こうか?」

「えっ?」

「ん? このままホテルに行くのは嫌なのかな?」

「そ、そんなことないです」

「それじゃあ、ついてきて」

「は、はい」


 我ながらなんて分かりやすい態度なのだろう。

 相手が可愛いコだったら、土下座する勢いで感謝の気持ちを全面に押し出し、会話を途切れさせてなるものかと頭脳をフル回転させる筆者。

 しかし、今回の筆者は完全に別人のようだ。とはいえ、初対面のカヨちゃんにそんなことが分かるわけもない。


よしっ! 今日はクールな男を気取って“省エネモード”で射精という排泄行為を行うべ。


 彼女の数歩先を歩きながら、そう覚悟を決めた。

 その後、当たり障りのない世間話をしながらホテル街に到着。

 いつもよりグレードの低いラブホテルにチェックインし、ふたりきりになった。


「カヨちゃんって、ああいうサイトでよく遊んでるの?」

「そ、そうですね。半年くらい前に登録して、何人かの人とやり取りしてました」

「そうなんだぁ。で、実際にこうして会うのは俺で何人目なの?」

「え、えっとぉ。ふ、ふたり目です」

「あれ? 意外と少ないんだね」

「は、はい…」


あっ! これはもしかして、相当顔パスされているのかも。


 実際に会った人数を言い淀んだ彼女の反応を見て、そう気づいてしまった。

 いくらクールを気取るつもりでも、相手の傷口に塩を塗り込むような真似はしたくない。ということで、慌てて話題を切り替えることにした。


「で、カヨちゃんはどんなエッチが好きなのかな?」

「す、好きなエッチですか?」

「うん。どうせなら、今日はカヨちゃんの好きなエッチになるようにしたいな」

「え、エエッ!? そんなこと言われたの初めてです」

「そうなの? でも、どうせ楽しむなら遠慮なんてしても意味がないでしょ?」

「そ、そうですね」

「だから、正直に教えてほしいな。痛いのと汚いの以外だったら、なんでも大丈夫だからさ」

「フフフ。私も痛いのや汚いのは苦手です」

「うん、うん」

「今だけでいいので、本当の恋人みたいなエッチがしたいです」

「了解! ラブラブエッチなら俺も大好きだよ。今日は世界で一番大好きなコとエッチするつもりになるね」

「あ、ありがとうございます」


ほっ。


 密かに安堵のため息を漏らす筆者。もしも、

脇の下や足の指やアナルを舐めてくれと言われていたら、ブチ切れていたかもしれない。


 相手が好みの女性だったら、言われるまでもなく全身を舐めまわすことだろう。だが、

カヨちゃんは断じて違う! 断じて違うのだから!!

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