約束の10分前に待ち合わせ場所に到着すると、すでにサキエちゃんらしき女性の姿があった。
いつもなら、遠くからゆっくり近づいて観察するところだが、周囲がまばらなのでそうもいかない。歩調を変えずにそのまま彼女に近づいていき、声をかけた。
「こんにちは、サキエちゃんかな?」
「あっ、はい」
「ショーイチだよ。待たせちゃったかな?」
「い、いいえ。私が早く来すぎただけなので…」
「何分くらい待ってたの?」
「ご、5分くらいです」
「ゴメンね。俺がもっと早く来ればよかったね」
「ほ、本当に大丈夫です」
軽い挨拶を交わしながら、素早く視線を走らせて彼女を観察する。
顔は女優・市毛良枝の若かった頃に似ていて、地味目な和風顔といった感じ。体型はちょい痩せ気味で、おっぱいの大きさは期待できそうになかった。
こ、こんな人の良さそうな人妻が、会ったばかりの俺のチンコをシャブってくれるのか!!
早くも股間が疼き、硬くなり始めてしまった。
「実際の俺を見て、引いたりしてない?」
「えっ?」
「送った写メよりずっとエロそうな顔してるでしょ?」
「そ、そんなことないです。それより、若くてびっくりしました」
「え?」
「本当に48歳なんですか? 私よりずっと若そうに見えますよ」
「あ、ありがとう。昔から童顔でいつも年下に間違えられてばかりなんだ」
年齢の話題になったので、こちらも「若く見えるね」とジャブをかましたくなったが、目の前のサキエちゃんは40代半ばそのもの。見え透いたお世辞は言えない性分なので、すぐに話題を変えることにした。
「それじゃあ、このままホテルに行くってことでいいかな?」
「は、はい」
「じゃあ、俺が先に歩くから、後からついて来てくれる?」
「え?」
「ほら、俺は構わないけど、万が一知り合いに見られたらサキエちゃんが困るでしょ?」
「そ、そうですね。ありがとうございます」
こうしてラブホ街に向かって歩き始めた。