「こんばんは、ヒナコちゃんだよね?」
「あっ! ショーイチさん?」
「うん。そうだよ。今日はよろしくね」
「はぁい。こちらこそお願いします」
「ここだと話にくいから、少し歩きながら話そうか?」
「はい」
こうして、ホテル街に向かうカタチで、歩きながら会話することにした。
「大丈夫? 写メと違うとか思ってない?」
「え?」
「ほら、俺の顔、よく見てごらん。めちゃくちゃスケベそうでしょ?」
「そんなことないと思いますよ。どっちかっていうと真面目そうだし…」
「んなことないって! こういう顔をスケベヅラって言うんだよ」
「フフ。自分からそう言うなんて、本当にエッチなんですね」
「おう! 清く明るく正しいスケベだよ。でも、女性の嫌がることは死んでもできないから安心してね」
「あっ! それ分かります。すごく優しそうだし…」
「う、うん。優しいのは神に誓うよ。じゃあ、このままホテルに向かうってことでいいかな?」
「はぁい。よろしくお願いします」
明るいノリのヒナコちゃん。見ず知らずの男性とホテルに直行することに恐怖を感じていないのだろうか? それなりに遊び慣れているのかもしれない。
彼女のノリから判断して、少しくらい突っ込んだ質問をしても大丈夫そうだ。
「ヒナコちゃんは、こういうサイトをよく使ってるの?」
「今年の夏くらいから使ってますね」
「怖くなかった?」
「みんな優しくしてくれましたよ」
「そうなんだぁ。ちなみに、俺は何人目くらいになるのかな?」
「んーっと、5人目くらいですかね。ショーイチさんもあのサイトでよく遊んでるんですか?」
「お、俺? そうだなぁ、月に1回くらいかなぁ…」
「じゃあ、私と同じくらいのペースですね」
「う、うん」
本当は週2回くらいの間隔で遊んでいるが、馬鹿正直に答えたらドン引きされてしまうに違いない。
女性というのは、こういうサイトを利用しておきながら、遊び過ぎている男性に嫌悪感を覚えがちだ。だから、この手の質問がきたら、筆者はいつも「月に1回」くらいだと答えるようにしている。
その後、彼女が通う専門学校の話や飲食店でのバイトの話をしているうちに、ホテル街に到着した。