既婚者だと偽ったファーストメールを送ると、5分ほどで返信が届いた。
さっそく筆者の写メを添付し返信。すると、あっさりと約束が成立した。
待ち合わせ場所は、新宿アルタ前。約束の数分前に到着すると、すでにシホちゃんらしき女性の姿が。
まだ少し距離があったので顔ははっきり見えなかったが、体型はムチムチしていて、抱き心地は良さそうに思えた。
ゆっくり近づいていくと、徐々に顔がはっきりしてきた。
ぐぬぬぬっ、び、微妙だなぁ…。
シホちゃんは、アン・ルイスと欧陽菲菲を足して2で割った感じの濃い顔だった。
かなりバタ臭い感じではあるが、出会える系サイト遊びで“微妙な顔”というのは、十分アタリの部類に入る。モンスター級のクリーチャーがゴロゴロしている世界なので、微妙であれば御の字なのだ。
それに、一回限りのエッチになる可能性が高いのだから、いちいち選り好みなんてしていられない。覚悟を決めた筆者は、そのまま彼女に近づき声をかけた。
「こんばんは、シホちゃんかな?」
「あ、はい!」
「ショーイチです。今日はよろしくね」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
いつもならここで、
「実物の俺はこんな感じだけど大丈夫?」
などと相手のご機嫌をうかがうところだ。
しかし、相手の女性が好みのタイプではない場合、妙に強気になってしまうのは筆者の癖だ。
「それじゃ、さっそく行こうか?」
「は、はい」
こうして、ラブホテル街に向かって歩き始めた。