「よく新宿には来るのかな?」
「学生時代はよく来てました。駅の近くの喫茶店でバイトしていたんです」
「へぇ、そうなんだぁ。なんてお店なの?」
「●●です」
「えっ、マジで? そこなら打ち合わせで何度も使ったことがあるよ。すごい偶然だなぁ」
「本当ですかぁ? すごいですね」
「学生の時ってことは、今から10年くらい前ってこと?」
「はい、そのくらいです」
「その頃もお店を利用してたから、ニアミスがあったかもしれないね」
「そうですね」
「いやぁ、本当にゴメン! もしその時に気づいてたら、もっと早くにこうしてデートできてたのにね」
「フフフ、そうですね。ショーイチさんに誘われてたら、喜んでついていったと思います」
「あっ! でも、それは無理かぁ。俺、ナンパとかしたことないから、初対面の女性に声をかけることはできないなぁ」
「それなら、私の方から声をかけていたかもしれませんよ」
「そうなってたら、お互い今とまるっきり違う人生だったんだろうね」
「本当にそうですね」
「間違いなく、毎日K子ちゃんの身体を求めていたと思うよ」
「え?」
「こんな綺麗なコと結婚してたら、毎日どころじゃなくて1日に何回もしてたと思うなぁ」
「ま、毎日ですかぁ?」
「うん。出会える系遊びも風俗遊びもしないで、朝から晩までエッチしてたはずだよ」
「それじゃあ、すごく子だくさんになっちゃいそうですね」
「それもそうだね。大家族スペシャルに出れちゃうくらい子供がたくさん生まれそうだね」
「ショーイチさんのお嫁さんかぁ。なんだか毎日笑顔でいられそうです」
「う、うん。稼ぎが少ないから苦労させるだろうけどね」
「大丈夫です。私も働くので」
「共稼ぎで子だくさんかぁ。本当に楽しそうだなぁ」
「はい!」
まだエッチもしていないのに、やたらと会話が弾んでしまった。どうやらかなり相性がいいようだ。これならエッチのほうも相当盛り上がるに違いない。
「ちなみに、今日は何時までに帰れば大丈夫なの?」
「長男を延長保育でお願いしてきたので、18時までに迎えにいければ大丈夫です」
「新宿から家までどれくらいかかるの?」
「40分くらいです」
「それなら、念のため17時には新宿駅に着いているようにしようか?」
「はい。そうですね」
「じゃあ、今から4時間弱だけど、心を込めてご奉仕させてもらうね」
「は、はい」
グレードの高いラブホにしたかったが、懐が寂しかったので、いつも利用する中級クラスのところにチェックインした。