部屋でふたりきりになったところで、おしゃべりを再開する。
「それにしても、本当に久しぶりだね。またこうやって会ってもらえて嬉しいよ」
「ゴメンなさい。本当はもっと早く連絡したかったんですけど、いろいろ忙しくて」
「それはしょうがないよ。でも、この半年間、エッチしたいってムラムラしたりしなかったの?」
「そ、それは…」
「言いにくい? でも、教えてほしいな」
「ショ、ショーイチさんとのエッチ、思い出して自分でいじったりしてました」
「それは嬉しいなぁ。そんなに詳しく覚えてるんだ?」
「はい。今までのエッチの中で一番気持ち良かったので…」
「一番? それは大げさじゃない?」
「いいえ、本当です!! あんなに優しくしてもらったのは初めてなので、忘れられないです」
「ありがとう。それじゃあ、今日はもっともっと優しくご奉仕させてもらうね」
「は、はい」
「でも、大丈夫かな?」
「えっ?」
「病みつきになっちゃったら、月1とか週1のペースで会いたくなっちゃうんじゃない?」
「そ、そうですね。どうしましょう?」
「大丈夫。またしたくなったら、いつでも気軽に連絡してくれていいからね」
「は、はい。ありがとうございます」
「それじゃ、そろそろシャワーを浴びようか? 先に入る? それとも俺が先に浴びようか?」
「わ、私が先に浴びます」
「うん。それじゃあ、のんびり待ってるね」
こうしてレイコちゃんが先にシャワーを浴びることになった。
いつもなら、ここで一服するところだ。しかし、彼女は人妻で非喫煙者だ。タバコの香りが洋服や体に残ってしまうのは避けるべきだろう。
筆者はヘビースモーカーだが、その辺の常識はわきまえているつもりだ。レイコちゃんに余計な心配をかけてはいけないので、タバコを吸いたい気持ちをなんとか押し殺した。
そうなると、途端に手持ち無沙汰になってしまう。テレビでAV鑑賞するのも彼女に失礼だし、ニュース番組やバラエティ番組は今からの“秘密の情事”に相応しくない。
どうしたものかと思案していると、悪戯心が湧いてきた。それは、
ベッドの枕元に置かれたコンドームの袋を隠すというもの。
なんの悪気もなく、軽い気分で思いついてしまったのだ。
コンドームが2個収納されている紙ケースを手にとり、ティッシュボックスの下に隠してみる。ただ、それだけのことだ。
いざ挿入という時、慌ててコンドームを探すというハプニングにレイコちゃんがどんな反応を示すのか楽しみだった。
その後、入れ替わりで筆者もシャワーを浴び、ベッドインとなった。
「それじゃあ、俺のほうからご奉仕させてもらうね」
「は、はい」
「痛いことや汚いことはしないから、安心してね」
「はい。安心してます」