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こんにちは、カノコさん。
都内の会社員、ショーイチ・36歳です。
先ほど、カノコさんの書き込みを拝見しました。
優しいくらしか取り柄のない私ですが、是非カノコさんとふたりで楽しみたいです。
ご検討のほど、よろしくです!
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ダメ元でのアタックなので、アッサリ目のファーストメールだ。
このメールの後、気を取り直して、他の女性を物色すべく書き込みをチェックしていると、数分もしないうちに、カノコちゃんから返信が届いた。
あれ? もしかして業者だったのか?
レスポンスがあまりに早い場合、相手は一般女性を装った業者の可能性が高い。向こうは一日中パソコンやスマホにかじりついて獲物がかかるのを待っていて、返信はコピペメール。当然、呆れてしまうくらいレスが早くなる。
そんなワケで、眉にツバつけながら、カノコちゃんからのメールをチェックすることにした。
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メールありがとうございます。
誰からも連絡もらえなかったので、駄目だと思っていました。
ショーイチさんから連絡いただけて嬉しいです。
本当に地味で色気とかもない私ですが、それでもいいですか?
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ずいぶんとまた控えめな内容だ。よほど自分の見た目に自信がないのだろう。
だが、見た目に自信がないのは筆者も同じ。こういう可哀そうな女性こそ、筆者が救済してあげるべき相手だろう。
と、ワケの分からない正義感に駆られながら、返信メールを書きあげた。
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連絡ありがとう、カノコさん。
こういう出会いって、見た目よりも相性が大事だと思っています。
それでも、私がどんな感じなのか気になりますよね?
だから、私の写メを添付しました。
もし、タイプじゃなかったら返信は結構です。
でも、検討してもらえたら、めちゃくちゃ嬉しいです!
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筆者の写メを添付してメールを送信。
何度もこのコラムで書いているが、筆者の顔面偏差値は余裕のFランク。しかし、草食系の不細工とでも言えばいいのか、見る者に威圧感を与えないであろう人畜無害なタイプなのである。
それゆえ、気の弱そうなお人好し風に見えなくもない。だからこそ、“優しい人”を演じることが難しくないのだ。
今回は、自信なさげなカノコちゃんを安心させるべく、自ら率先して写メを添付したカタチだ。
そんな写メ添付作戦が効いたのか、すぐに返信が届いた。