待ち合わせ場所は、新宿アルタ前。周囲に視線を走らせながら待っていると、ほぼ時間通りに、メールで聞いていた通りの服装の女性を発見した。
ムムっ? ちょっと太めか?
その女性は、漫画家・浜田ブリトニーが太っていたころのような体型だった。
しかも、髪の毛の色は茶色!! 34歳の人妻ということで、勝手に黒髪を想像していた筆者は、ギャルみたいな髪型にビックリした。
決してアタリとは言えないが、大ハズレでもない。だったらイクしかない。ゆっくり彼女に近づき、声をかけた。
「こんばんは、みおりチャンだよね?」
「あ、はい。ショーイチさん?」
「うん。さっき【イククル】で約束させてもらったショーイチだよ。今日はよろしくね」
「はぁい。こちらこそお願いします」
やけにテンションが高いみおりチャンは、笑顔で答えてくれた。
家族以外の女性から笑顔を向けられることがほとんどない筆者は、彼女のような愛嬌ばっちりの女性にはあまり免疫がない。
ということで、多少容姿に問題があっても、その笑顔を見た途端、可愛いと勘違いしてしまう。
「実際の俺って、こんな感じだけど大丈夫? 引いてない?」
「え? どうしてですか?」
「ほら、送った写メよりずっとエロそうでしょ?」
「ええっ、そうなんですか? それはそれで嬉しいかも」
「そ、そうなんだ」
「ショーイチさんこそ、私みたいなのでガッカリしてません?」
「とんでもないよ。ほら、俺の顔をよく見てごらん?」
「えっ?」
「さっきからずっと楽しそうな顔してるでしょ?」
「は、はい」
「みおりチャンが可愛いから、楽しそうな顔をしてるんだよ」
「またまたぁ、いきなり上手ですねぇ」
「お世辞なんかじゃないよ。こう見えても、俺は正直者のショーちゃんって言われてるんだから」
「フフフ、ショーちゃんですか。じゃあ、私もそう呼んでいいですか?」
「お、おう。もちろんだよ。それじゃあ、歩きながら話そうか?」
「はぁい」