ホテル街へ向かう道中、こちらからいろいろ話しかけるが、彼女の反応はどうにも鈍かった。
元から無口なのか緊張のせいなのかは分からなかったが、とりあえず根気よくしゃべりかけた。
無事にホテルに到着し、部屋に入ってからもしばらく話し続けたが、ミワちゃんの表情は暗いままだった。そこで、思いきって聞いてみることにした。
「もしかして、後悔してる?」
「え?」
「なんか悲しそうな顔してるからさ」
「ご、ごめんなさい。よくそう言われるんですけど、全然悲しくないですから」
「そうなんだ」
「不愉快な思いをさせてすいません」
「ぜ、全然不愉快じゃないよ。ただ、ミワちゃんが心配になってさ」
「あ、ありがとうございます。優しいんですね」
「う、うん。それじゃあ、先にシャワー浴びておいで」
ちょっと性急な気もしたが、さっさと事を済ませたかったので、彼女にシャワーを促した。
その後、入れ替わりで筆者もシャワーを浴びることに。
しかし、ここで異変に気づいてしまった!!
いつもは、ボディソープで愚息を洗う時、“待ちきれない”とばかりにフル勃起するのだが、この時はずっと萎えたままだった。
最後に射精してから20時間以上は経っているので、精巣はパツンパツンのはずだ。それなのにピクリともしないなんて、筆者にとっては完全に想定外だ。
ミワちゃんのノリの悪さを察知して、愚息がその気になっていないのだろう。一抹の不安を感じながら浴室を出た筆者は、ひとまず念入りに歯磨きを開始した。
歯を磨き終わると、温水で両手を温める筆者。実はこの行為、歯磨き同様、必要不可欠なエチケットなのである。こちらの手が冷たいと、女性の肌に触れた際、相手に不快な思いをさせてしまいがちなのだ。
こうした事態を避けるため、手の平を体温以上に温めておくのが、筆者の流儀なのだ。
準備が整うと、ついにエッチが始まる。
「じゃ、優しくするけど、痛かったり嫌なことがあったらスグに教えてね」
「は、はい」