視点を切り替えて、さあやチャンのいいところに集中すれば、怒りは消え去り喜びが訪れてくれるはずだ。
彼女のいいところは、すぐに見つかった。ふくよかな体型だけあってオッパイが大きく、服の上からだが、少なくともGカップはありそうだった。バストトップとアンダーの差もかなりあったので、鳩胸詐欺でもなさそうだ。
よっしゃ! 今日はオッパイメインで遊ぶか!!
瞬時に気持ちを切り替えた筆者は、ゆっくり彼女に近づき、声をかけた。
「こんばんは。さあやチャンかな?」
「あっ、はい」
「さっき【PC★MAX】で約束させてもらったショーイチだよ。今日はよろしくね」
「は、はい。お願いします」
「ここは人通りが多いから、歩きながら話そうか?」
「はい」
ラブホ街に向かって歩きながら、脇目で彼女を観察する。横から見ると、こちらの想像通りかなりの巨乳であることが分かった。
“ポッチャリ体型のくせに脱がしてみたら貧乳”といった苦い経験は何度もあるが、どうやら今回その心配はなさそうだ。
なんとか、そう前向きに捉えることに成功した。本来ならここで、どんなお店に勤めてるのかとか、どんな接客をしているのかを聞いているところだ。
しかし、仕事のことを聞けば、どうしても“華奢で可憐なメイド姿の女性”が頭をよぎってしまう。そこで、メイドの話を封印することにした。
「じゃあ、このままホテルに向かう感じでいいかな?」
「あ、あのぉ。私で大丈夫ですか?」
なんてしおらしい態度なんだ。どうやら、開き直っているデブではなく、恥じらいを忘れていないデブのようだ。
こんな態度を取られたら、ジェントルマン気取りで応じるしかないではないか。
「もっちろんだよ! さあやチャンのほうこそ、俺みたいなスケベそうな男で大丈夫なの?」
「はい。とても優しそうだし、真面目そうに見えますから」
「ダメだよ。そんな簡単に信じちゃ。俺ってば、かなりエロエロだよ」
「フフ、エロい男性は大歓迎ですから」
「お、おう。それならよかった」
そうこうするうちに、ラブホ街の入り口近くの格安ラブホに到着。
フロントに利用時間を聞かれた筆者は、「2時間で」と最低利用時間を口にするのだった。