会話しながら彼女の履いている靴を確認。ほとんどヒールのない靴で、筆者とほぼ同じくらいの身長だった。
メールから察するに、彼女は自分の背の高さをあまり良く思っていないようだ。だから、あまり身長の話題に触れないほうがいいだろう。
しかし、アルタ前に佇んでいたT子ちゃんの姿がとても強烈だったので、ついそのことに触れてしまった。
「アルタ前に立っていたT子ちゃんは、すごく目立っていてスグに分かったよ」
「え?」
「あっ、誤解しないでね。身長のせいじゃなくて、立ち姿がとても綺麗だったからさ」
「そ、そんなことないです」
「いやいや、そんなことあるって! 目の悪い俺でも、すぐにT子ちゃんだって分かったくらいだもの」
「そうなんですか」
「それに、顔も写メで見たよりずっとずっと綺麗だよ」
「えっ…」
「あの写メって、俺からメールをもらってから撮ったのかな?」
「そうです」
「こうして見ると、自撮りが苦手だっていうのがよく分かるよ。実物は写メより何倍も綺麗で可愛いと思うよ」
「や、やだ。そんなことありません」
「大丈夫、自信を持って! 俺、こういう時に嘘はつかないからさ」
「ありがとうございます」
お世辞ではなく、心の底から思っていたことを口にしただけだった。正直に言うと、どことなく幸薄そうな印象があったのも事実だ。だが、それは本人の自信のなさの表れだと思われた。
だから、彼女にもっと前向きになってもらいたいと思い、褒めやすい見た目を称賛したのだ。
そうこうするうちに、ラブホに到着。しかし、部屋に入ってもT子ちゃんの緊張はいまだ解けないようで、落ち着かない様子だった。
「俺もよく年下に間違われるけど、T子ちゃんもよく間違えられるでしょ」
「はい」
「やっぱりね。いつも30代前半くらいに間違えられるんじゃない?」
「そ、そこまではないです」
「そうかなぁ。今日も第一印象は30代前半のコって感じだったよ」
「ありがとうございます」
「職場の男性とかに、ちょっかいかけられたりしないの?」
「それはないですね」
「あっ、そうか。既婚者だって分かってるからかもね」
「そうですね」
「でも、本当に若くて綺麗でセクシーだと思うよ」
「そ、そんなことないです」
「だから、そんなことあるって! だって、アルタ前で合流してから、俺はずっと勃起しっぱなしだよ」
「エッ、そうなんですか」
「うん! 早くT子ちゃんとイチャイチャラブラブしたいもん!!」
「あ、ありがとうございます」
※本サイト「メンズサイゾー」(https://www.menscyzo.com/)に掲載されているイラスト・写真・文章の無断転載を固く禁じます。