送信作業を終えると、無事画面が切り替わった。
ホッ…。
どうやらギリギリセーフでメールできたようだ。受付メール数が上限に達してしまうと、メールを送ることすら不可能なので、まずは一安心。
後は運を天に任せるだけだ。しかし、筆者には自信があった。脊髄反射でメールする男の多くは、上から目線だったり、妙に慣れ慣れしかったりと、まともなアタックをしていないものである。長年の経験からそれを知っているので、落ち着いて返信を待つことにした。
そして、待つこと10分。ついに彼女から返信が届いた!!
やったー、ヤッター、ヤッターまんコ!
心の中で勝利の雄たけびをあげ、すぐにメールを確認。その後、数通のメールのやりとりを経て、あっさり約束は成立した。
待ち合わせ場所は、池袋駅地下構内の待ち合わせスポット“イケフクロウ”前だ。筆者は新宿と池袋の中間あたりに住んでいるので、すぐに駆けつけることができる。家賃は少々高めだが、この便利さには代えがたい。
出会える系サイト遊びにおいて、フットワークの軽さは重要なのだ。
ワクワクどきどきハラハラしながら待っていると、約束の時間の数分前にアイカちゃんらしき女性がやって来た。
スレンダー体型で身長は155センチくらいだろうか。マスクをしていたので顔ははっきり分からなかったが、大きな目が印象的だった。
彼女を驚かさないようゆっくり正面から近づき、声をかけた。
「こんばんは、アイカちゃんかな?」
「あっ、はい。そうです」
そう答えたアイカちゃんは、マスクを下にずらし、顔をこちらに向けた。
きゃ、きゃわゆいぃん♪
一昔前のアイドル顔といった感じのアイカちゃん。年齢のわりに少々ケバい気もしたが、極上の部類に入るレベルだった。
こういうコと遭遇する度、これまで筆者を振ったすべての女性、嫌な思いをさせられた上司や部下や同僚など、本来なら憎しみの対象である人たちに対し、心の底から感謝してしまう。
皆さんありがとう。貴方達と関わったことで今の俺があるんだ。貴方達から受けた苦い経験も、今ではこうして血となり肉となっているよ。本当にありがとう。
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