こちらが聞いていないことまでベラベラと語り出したハルミちゃん。しかも、ジッと筆者の目を見つめながらだ。
ココで違和感に気がついた。しゃべっている間、ほとんど彼女は瞬きをしていなかったのである。
筆者はすぐにピンときてしまった。いわゆるメンヘラ系だろう、と。
これまでの出会える系サイト遊びで、数々のメンヘラ女性と遊んできた筆者。両腕ともリストカットだらけの女性、薬の飲み過ぎで母乳ダダ漏れ状態の少女、感情の起伏が激し過ぎる人妻などなど、一癖も二癖もあるような面子ばかりだ。
そんな相手であっても、“気持ちいいセックスができればそれで良し”がスタンスの筆者。ホテル街に向かいながら、ハルミちゃんの様子をいつもより慎重に観察することにした。
こうしたメンヘラ女性は、どこに地雷が埋まっているか分かったものではない。しかし、決して触れてはいけないその部分を見極めることができれば、その夜限りのエッチ相手としてはまったく問題ない。
「ところで、ハルミちゃんは何の専門学校に行ってるの?」
「トリマーを目指してるんですよ。とにかく犬が大好きで…」
「へぇ、しっかりした目標があって偉いね」
「そんなことないです。ただ好きなことをやってるだけなので、はい。あっ、でも、トリマーじゃなくても犬に関係する仕事につけたらいいなぁって…」
辛うじて聞き取れたものの、かなりの早口でまくしたててくるハルミちゃん。おしゃべりのペースを彼女に任せてしまったら、エッチを始めるのに時間がかかりそうな感じだった。
その時、彼女が持っていた重そうなカバンが目に入った。いわゆる肩掛けカバンだが、今にもはち切れんばかりにパンパンに膨れ上がっていた。
「そのカバン重そうだね。持ってあげようか?」
「い、いいえ。大丈夫です。学校の教材とかお薬とかいろいろ入ってるので…」
半ばカマをかけた格好だが、案の定である。きっと向精神薬の類をたくさん持ち歩いているのだろう。
ココで薬に関して突っ込んだら、地雷を踏んでしまうことになる。軽くスルーして、そのまま歩き続けた。
ホテルに到着し、部屋に入ってふたりっきりになっても、ハルミちゃんのおしゃべりは止まらなかった。
話題は、専門学校の話から、彼女の幼かった頃の思い出に飛んでいた。その後も次から次へと話題が変わっていき、止む気配すらなかった。
※本サイト「メンズサイゾー」(https://www.menscyzo.com/)に掲載されているイラスト・写真・文章の無断転載を固く禁じます。