上半身を密着させず、器用にピストンを続ける筆者。これは、彼女の体臭が残り香としてこちらにつかないようにするためだ。
鼻を近づけてクンクンしたワケではないが、ベッドインした時から不快な匂いを感じ取っていたための措置である。
そうこうするうちに、発射の前兆がついにやってきた!
「そ、そろそろ、イクよ!」
ガガガガとラストスパートの高速ピストンを繰り出し、無事に射精することができたのであった。
会話もせずに帰り支度を始め、ホテルを出る。彼女を駅まで見送るつもりなんて微塵もなかった。それゆえ、遠回りになってしまうが、駅の反対方向に向かって歩き始めるつもりだった。
「じゃあ、気をつけて帰ってね」
「あ、あのぉ」
「ん?」
「駅ってどっちですか?」
徒歩数分ほどで池袋駅に着くのだが、この辺は入り組んでいるので確かに分かりにくい。アッチのほうだよと指差して教えるだけでも良かったが、小心者の筆者はそこまでつれない態度がとれない。
ということで、アナちゃんを駅が見える場所まで連れて行き、今度こそサヨウナラとなった。
はぁ。またまたハーフのコでハズレを引いてしまった。
過去に何人もハーフのコにアタックしているが、いまだアタリに遭遇した経験はゼロ。いや、アタリどころか普通のコに当たったことすらない。
もしかしたら、ハーフ美女とは決してエッチできない星のもとに生まれてしまったのかもしれないなぁ。
でも、諦めるワケにはいくまい。ハズレを引くことを恐れていたら、未来永劫ハーフ美女に巡り合えないのだから。きっと、今後も懲りずにハーフのコの書き込みに釣られてしまうことになるだろう。
ちなみに、その日の夜、アナちゃんから【イククル】のサイト経由でメールが届いた。
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今日は優しくしてくれてありがとうございます。
もし良かったらまた会いたいです。
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筆者としては優しく接したつもりはコレっぽっちもない。それでも優しくされたと感じたのは、今までの男経験が相当悲惨なものだったからだろう。
しかし、筆者は聖人君子ではない。アナちゃんに再会する気は皆無なので、携帯電話をそっと閉じ、ガン無視することにしたのであった。
(文=所沢ショーイチ)