「じゃあ、俺は一服してくから、気をつけて帰ってね」
「は、はい」
彼女の返事の途中で背を向け、喫煙所に向かう筆者なのであった。
このデートの三日後、あいみチャンからメールが届いた。
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ショーイチさん。
先日はありがとうございました。
渋谷でお会いしたあいみです。
また近いうちに会っていただけますか?
ショーイチさんとのエッチが忘れられなくて…
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筆者は、なんの躊躇もなく返信メールをサラサラと書きあげて送信した。
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ゴメンね、あいみチャン。
ここ半月くらいは仕事で忙しいんだ。
来月以降の予定もまだ不明なので、約束はできそうにないよ。
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エクスタシーに目覚めてしまった人妻を放置するのは心苦しいが、新規開拓する時間を割いてまであいみチャンと再会する気はなかった。
まぁ、一度もエクスタシーを知ることなく人生を終える女性も少なくないのだから、彼女は幸せなほうだろう。
こういうゲスな性格だから、筆者はずっと非モテのままなんだろうなぁ。
(文=所沢ショーイチ)