このドムを踏み台にしてドムの後方に逃げるという手段も有効そうだが、足がガクブル状態なのでとても成功しそうにない。
諦めるしかないだろう。今初めて気がついたようなフリをして、ドムと目を合わせることにした筆者。
そしてゆっくりとにじり寄っていき、声をかけた。
「こ、こんばんは。ド、ドぉも」
「あ、サイトの人ですか?」
「う、うん、さっき【イククル】で約束させてもらったショーイチです」
「やっぱりそうでしたか。ミサコです」
「う、うん」
「あ、あのぉ。ダメでしたら言ってくださいね」
しょっちゅう顔パスされてるのだろう。開口一番にそれを伝えてきた所に好感が持てるではないか。
ここで冷静になってこのドムを見定める筆者。とにかく脚部が強烈でスラスターを内蔵した宇宙用機体のリック・ドムを彷彿とさせる。
もちろん上半身もそれに負けないくらいにガッシリしていて打たれ強そう。そして顔はテレビ番組『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』の名物キャラ満腹太(まんぷくふとる)のような腫れ具合だ。
これだったらドムの十字モノアイのほうがよほど美人に見えたことだろう。
滅多に顔パスしない筆者だが、コレは顔パスしても誰も責めないケースなはずだ。だが、筆者はこのドムのバストを視界の隅で捉えてしまったのだ。
こ、こいつデカいぞ!
最低でもHカップはくだらないだろう。身長が筆者より10センチ近く低かったので、その胸の谷間を上から見下ろす格好となっている。
その谷間の奥深さに、魂まで吸い込まれてしまいそうになる。
この日の前日、たまたま仕事のキリがよくてたっぷりと8時間睡眠していた筆者。それゆえ体調は絶好調で、キンタマ袋はザーメンでパッツンパッツンに膨れている状態だった。
それゆえ、いつもの悪い癖でスーパー超絶ウルトラアルティメット級な前向き思考が始まってしまったのだ。
こ、これだけデカけりゃ話のタネになるんじゃネ?
ここでようやく覚悟を決めたトコショー。ひきつらないよう気をつけながら笑顔を無理やり作り、会話を続けた。