待ち合わせ場所に先着した筆者は、いつものように周りの不美人やおデブちゃんの容姿を脳裏に焼き付ける作業に没頭する。今回はシズカちゃんの容姿が不明だったので、どんな不細工が来ようともめげないような精神状態を整えておく必要があったのだ。
そして約束の時間から遅れること2分ほどでシズカちゃんがやってきた!
少しタレ目で離れ気味の目、ややもすると眠そうに見えるパッチリ二重、そしてほんの少々出っ歯な口元。
芸能人で例えるのは非常に難しい。あえて例えるなら、1970年代に放映されていたテレビアニメ『ドン・チャック物語』のヒロインのララちゃんといった具合のビーバー顔だ。
幼少の頃、ララちゃんに性的興奮を覚えていた筆者にしてみれば余裕で当たりの部類である!!
「こんばんは、シズカちゃんだよね?」
「あ、はい」
「良かったぁ。あ、約束していたショーイチです! 今日はよろしくね」
「こちらこそ」
「あ、俺、こんな感じだけど大丈夫かな?」
「もちろんですよ。私もこんな感じですけど平気ですか?」
「モチのロンだよ!」
一瞬凍りつくシズカちゃん。
またヤッチまった。「モチのロン」だなんてオヤジ言葉がついついクチをついてしまうトコショー。
流石に初対面の女性の前で「そうはイカのおチョンチョン」といった下品系のオヤジギャグを発したことはないものの、「ナウい」だの「バッチグー」だのといった言葉は日常生活で普通に使ってしまうのである。
冷や汗をかきながらなんとか取り繕うトコショー。
「ご、ごめん、ごめん。もっちろん大丈夫に決まってるよ!」
「フフフ、私ももちろん大丈夫ですよ」
ニコっと微笑んで応じてくれるシズカちゃんなのであった。
彼女のそんな笑顔を見て、その日の勝利を確信したトコショー。こういう笑顔をする女性とのエッチで後悔したことは一度もないからだ。
ノリノリで楽しく会話しながらホテルに到着。
いつもならサッサと女性にシャワーを浴びてもらうところだが、この日のトコショーは焦らされたい気分だった。そこで、冷蔵庫の中から飲み物を取り出しソファーに座りながらしばらくおしゃべりすることに。
「シズカちゃん、日本酒が好きって書いてたけどよく飲んだりするの?」
「最近は食前酒って感じで夕食の前におちょこ1杯を飲むくらいですね」
「えっ? ってことは毎日飲んでるの?」
「まぁ、そうですね」
「酔っぱらったりはしないの?」
「1杯くらいじゃ酔ったりしないですよぉ」
「そうなんだぁ、羨ましいなぁ」
「ショーイチさんは飲むとどうなるんですか?」
「俺はね、スグに眠くなっちゃうんだ」
「へぇ、子供みたいですね」
「うん、性欲よりも眠気が勝っちゃうからエッチの前にはお酒飲めないんだ」
「へぇ。でも軽くお酒はいった状態でのエッチもいいですよ」
「あ、もしかして飲むと淫乱になったりとか?」
「うーん、そうですねぇ、ちょっとだけ大胆になったりしますね」
「え! 大胆ってどんな感じ?」
「えぇっ、それは言えません!」
「そこまで言っておいてそりゃないよ! 少しだけでもいいから教えて、ね?」
「うーん、例えば私が上になったり」
「うん、うん」
「すっごい勢いで動いて、男の人をイジメたりとか……」
「あ! そ、それ、イイ!! シズカちゃんにイジメられたいかも」
「ふふふ、でも明日も仕事だから今日はお酒無しでしましょ」
「じゃ、今度は金曜の夜とかにお酒飲んでからしたいな」
「あれ? でもショーイチさんは眠くなるんでしょ?」
「うん。だからシズカちゃんだけ飲んでよ。俺はウーロン茶にするからさ」
「えぇ! せっかく一緒にいるのに一人だけ飲むなんてツマンナイ!」
「じゃ、じゃあ俺も少しだけ付き合うからさ、ね?」
もうエッチの前からノリノリで次のデートの約束を交わす二人。ここでフと疑問に思ったトコショー。それなりに可愛いし、社交的だし、愛嬌もあるシズカちゃん。いまどきは34歳で独身なんて珍しくもなんともないが、彼氏とかはいないのだろうか?
興味津津となりその辺を聞きたくなったが、もしかしたら触れられたくない話題かもしれない。
そこで遠回りに探ることにした。