2分後、無事にモモちゃんが待ち合わせ場所に現れた。
アレ? なんか違う?
実際のモモちゃんは、安西ひろこというよりも1998年にモーニング娘。としてデビューした当時の矢口真里っぽい地味目な感じだった。
いわゆるプリクラマジックであろう。ま、これくらいは折り込み済みだ。この程度の差異で目くじらを立てていたら、風俗店で写真指名なんてしていられない。
気を取り直し、優しいジェントルマンを装いながら話しかけた。
「こんばんは、モモちゃん。ショーイチです」
「あ。ショーイチさん? ヤダ、若いねぇ」
「そ、そんなことないよ」
「もっとおじさんだと思ってた」
「え? なんで?」
「だってメールの口調がおじさんっぽかったし、こういう遊びに慣れていそうだったから」
実年齢45歳のトコショーだが、この時は12歳ほどサバを読んでいた。にも拘わらず「若いねぇ」とは、モモちゃんの男性を見る目は相当低いのだろう。
ま、若く見られて悪い気分はしないので、筆者のテンションも上がっていった。
「ま、立ち話もアレだから、さっそく行こうか?」
「はぁい!」
こうしてホテル街へと向かい始めた二人。道中世間話しをしながら、横目で品定めする筆者。
うーん、茶髪は水分がヌケてパサパサといった感じだ。肌も濃い目の化粧のせいであまり清潔感を感じられない。若さにかまけて身だしなみにあまり注力していないのだろう。そこがギャルっぽいと言えば言えなくもないが……。
そうこうしているうちにホテルへ到着。そして別々にシャワーを浴びて、ベッドイン開始。
仰向けになっているモモちゃんに覆いかぶさり、軽めのキスを交わす。
ムムっ! なんか変な匂い!
彼女の口臭ではなく、髪の毛の生え際あたりからすえた汗の匂いが漂っていた。
ああ、やっぱり不潔っコちゃんだったか。まあ、ギリギリ許容範囲かなぁ……
クチが臭くなかっただけマシである。そして筆者はそのまま愛撫を続行。首筋に軽く舌を這わせながら徐々に耳元へ近づいて行く。
プーン!!
耳の裏の辺りの匂いが兎に角キョーレツだったのである。男子校のげた箱の匂いとでも言えばいいのだろうか。耳の裏って奴は案外盲点のようで、ここから異臭を発する女性は少なくないのだがこのモモちゃんの匂いは段違いだ。