夜19時50分、約束の時間10分前に待ち合わせ場所に到着した筆者。するとそこには既に一人の女性が人待ち顔で立っていたのである。身長はヒールを履いた状態で175センチ近くはありそうだ。服装もあらかじめメールで聞いていたのと合致している。彼女がカンナちゃんで間違いないだろう。
ゆっくりと値踏みしながら彼女に近づいていく筆者。
カンナちゃんの顔は女優の原沙知絵を少し地味にしたって感じ。顔のサイズにくらべてクチが大きめといった具合だ。見る人によっては下品そうに映るかもしれないが、筆者トコショーはクチのでかい女が昔っから大好きなのである!
ウヒっ、顔も好みだし、高身長スレンダーってのタマランなぁ、おい!
軽く唇を噛んで、ゆるゆるになりそうな顔の筋肉に喝を入れる。そして軽く口角を上げながら声をかけた。
「おまたせ! カンナちゃんだよね?」
「は、はい」
「【イククル】で約束してたショーイチです。今日はよろしくネ」
「こ、こちらこそ」
「予想より全然可愛いんでビックリしちゃったよ」
「え?」
「そ、そ、そんなことないですよぉ」
「いやあるって! 女優の原沙知絵に似てるって言われたことない?」
「た、たまぁにありますけど……」
「でしょ? 俺、原沙知絵も好きだけど、カンナちゃんみたいな顔も超好みなんだ!」
「もう、褒めすぎですぅ」
ってな具合で最初からまずまずのノリである。こりゃあ今回も楽しめそうだ。ちなみに、この時点で筆者は自分自身にNGワードを設定することにした。それは「身長が高い」という言葉。
アタックメールで「背の高い女性が好き」と書いておきながら、そのことには一切触れない。向こうから問われたら、「あ、そう言えばそうだったけど。そんなの関係なく、カンナちゃんが好みだな」と臭いセリフを吐くためだ。普段は朴念仁の筆者だが、こういうことに関してだけは姑息なほどに頭が回転するのであった。
そんなこんなでホテルに到着。そして別々にシャワーを浴びてベッドイン開始だ。
軽くキスした後、推定Bカップほどのこじんまりとしたオッパイを攻める筆者。持てるテクニックをフルに発揮して中年親父のネチっこいセックスの虜にしてやるぜ! とヤる気マンマンだ。
「クふふ、ね、ショーイチさんくすぐったいよ」
舐めたり吸ったりネジったり甘噛みしたり押したり引いたり摘んだり揉んだり……乳首だけではなくオッパイ全体を満遍なく愛撫していたのだが、どれもこれもカンナちゃんにはピンと来なかったようでくすぐったいだけのようだった。
「もしかしてオッパイ攻められるの苦手なの?」
「んー、そんなことないです」
「でもあまり気持ち良さそうじゃないね」
「ショーイチさんの舐め方とか優しすぎるんだもの」
「あ、もしかして激しいほうが好きとか?」
「(コクン)」
なるへそ。カンナちゃんはMであったか。高身長のせいでSっぽく見えるカンナちゃん。そのギャップがたまらんではないか!
こうなったらご要望通りSっ気を出して攻めてあげるのが礼儀ってもんだろう。
この糞メス豚がぁぁ!
と脳内でカンナちゃんを罵るトコショー。こうして心の中で相手を罵倒することで筆者のスイッチが「S」に転じるのであった。