【短期集中コラム】

AV業界への就職を考える人へ! これがAV会社の実態だ!! 第一回「AV業界の構造とコンプレックスについて」


 世間ではブラック企業を叩く風潮が強まっているが、駆け出しのADは、そんな悠長なことも言っていられない。撮影前の泊まり込みなどは当然で、ときには意味もなく怒られることだってある。理不尽な命令にも従順に応じる“マゾ気質”が必要なのだ。

 このようにADから監督になるためには、かなりの下積みを強いられることになる。監督になってもプロデューサーに文句を言われたり、やりたい企画も営業からNGを出されたりと、意外に厳しい。

 つまり流通会社に入ればエロとは無縁で、制作会社に入れば過酷な労働が待っている。ましてや企画を出したところで、突き返されるのが積の山だ。アダルト業界=底辺とナメてかかると、確実に痛い目にあう。

 しかし、もし有名企業に勤めているのなら転職してもいいかもしれない。4000~5000億円規模の市場(国内ゲーム機市場とほぼ同じ規模)ともいわれ、世間的な認知度も高まったAV業界だが、いまだに残る差別や偏見と苦闘している一面もある。そのため、どうしても一般の有名企業からの転職組に対しては意外なほどの厚待遇を受けるケースも多い。一流企業からの人材確保は、すなわち企業のステータスアップにつながるからだ。

 たとえば上場企業などで肩書きを持っている(実態は係長以下だったとしても)と、幹部クラスで迎えられたケースも実際に知っている。過去の実績などを詳しく調査することは困難であるから、楽に重役ポストにつけるのだ。逆に言うと、小さい会社でどれだけ実績を残した実力者も評価されることは少ない。つまり、無能ばかりが上に居座るケースも多々あるといえよう。世間的に認められてきたとはいえ、どうしてもエロというジレンマがつきまとう。こうした現象を、あえて“一流コンプレックス”と呼びたい。偏見や差別と闘いながらも、一方で一流企業にあやからなければいけない。そんな矛盾した意識が根底に流れている。それがAV関連会社の宿命なのかもしれないが。

 さて、今回は規模の大きなAV会社について述べてきたが、次回は小規模の制作会社に触れていきたい。撮影現場の現実は悲喜こもごもで、客観的に見ていると、こんなに面白いドラマはない。ウラ話もふまえて、実態を検証していこうと思う。
次回へつづく
(文=中河原みゆき)

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