
8月22日に母の藤圭子さん(享年62)を亡くした歌手の宇多田ヒカル(30)が18日、自身のTwitterで「完全にマスコミ恐怖症になってしまった」と過熱する週刊誌の取材攻勢に強い嫌悪感を示した。
宇多田は「先日、週刊誌の記者に突撃されて『一週間家に張り着いて尾行してた』と言われ色々変な質問されたけど、なんかもう怖くて気持ち悪かったので一言も答えなかった」と切りだし、その不気味さに「今までは何されても『彼らも仕事だし』と流してたけど、今回の一連のことで完全にマスコミ恐怖症になってしまった」と告白。
続けて「最後に『こないだの夜3人の男性と食事に出かけてたけどどういう関係?』と聞かれ『は?』と思ったけど…」と記者とのやり取りを振り返ったが、実は一人は女性だったらしく「私を励ましに遠方から会いに来てくれた友達(ショートカットの女子)とその弟と友達と4人で彼女の誕生日ディナーに出かけた時のことだと気付いてちょっとだけ笑えた。かわいい女のコなのに…」と多少の余裕を見せた。
最後に宇多田は「やっと友達と出かけられるくらい精神的に落ち着いてきたのにその一発目が週刊誌に載ってまた心ない言われようを受けると思うと、本当に気が重い。誘ってくれた友達にも申し訳ない…」とツイートし、失意の底からやっと回復し始めた矢先の突撃取材の恐怖を振り返っている。
「一連のツイートは、明らかに過剰取材のメディアを牽制する意図がある。このように書かれてしまったら、さすがに写真を載せるわけにはいかなくなるでしょう。もし載せてしまったら、そのメディアは完全に悪者になり、大バッシングを受けることになる。それでも載せようとするメディアもないとは言い切れませんが、過剰な取材で精神的な被害を受けていると宇多田が訴えているのだから多少は自粛せざるを得ない。この突撃取材は本当にショックな出来事だったでしょうが、Twitterを使って記者に“反撃”できるくらい精神的に持ち直したのだとすれば、多少は安心できますね」(芸能関係者)
宇多田が理解を示していたというように、タレントの周辺を探るのは芸能マスコミの仕事。また、彼女がメディアを使ってブレイクしたという側面がある以上、ある程度の“有名税”は致し方ない部分もある。とはいえ、宇多田は複雑な関係にあった母親を亡くしたばかり。ひと月もたっていないうちに1週間も尾行を続けるというのは、やり過ぎな感が否めない。なぜ、そこまで取材が過熱してしまっているのか。
「波瀾万丈の人生だった圭子さんはもちろん、父親の照實氏も良くない噂を含めて何かと話題の尽きない人です。しかも、宇多田は8歳年上の日本画家・福田天人氏と同棲中で結婚秒読みかといわれていた。ネタの宝庫といえる一家ですから、芸能マスコミが張り付くのも無理はない。しかし、ワイドショーや写真誌の全盛期だった頃に比べれば、かなりマナーはマシになりました。今のところツイートの件がどの雑誌かは分かっていませんが、ここまで過剰な取材をすると考えられるのは福田氏との関係を執拗に追っている女性誌の『女性自身』(光文社)や『週刊女性』(主婦と生活社)、宇多田関連でスクープを一発押さえたい『フライデー』(講談社)あたり。ですが、最も宇多田のゴシップを狙っているのは『週刊文春』(文藝春秋)でしょうね」(マスコミ関係者)
自殺報道の直後、「文春」では圭子さんの兄・藤三郎氏が独占インタビューに応じ「家族をバラバラにした宇多田照實を許さない」 と衝撃告白。「照實氏の意向で圭子の遺体と対面すらできない」「通夜も告別式もやらないのは本当に圭子の遺志なのか」「遺書もないのに圭子の意向が分かるのか」などといった三郎氏の主張を軸に、7ページにわたって照實氏バッシングを展開。照實氏が“宇多田利権”を独占するために、圭子さんの親族を遠ざけようとしているかのような印象を受ける内容だった。その翌週にも、圭子さんの叔母にあたる竹山幸子さんが登場し「照實さんとヒカルだけで荼毘に付するなんて、不自然なことだし、納得がいかない」などと語っていた。
ところが、宇多田は「文春」の記事を受けて9月5日、自身のホームページで「遺書はなかったと報道されていますが、今年の始めにしたためられた遺言書はありました」と公表。照實氏の意向ではなく、喪主である宇多田の判断で「母の遺体との面会を希望された方もいらっしゃいましたが、やむなくお断りさせていただきました」とし、通夜・告別式がなかったのも遺言書の内容に基づいたものだったと明かした。
「この文章がアップされると、文春側は大慌てになった。圭子さんの親族を囲いこんで告白を独占し、照實氏バッシングを続けるつもりだったのに、宇多田に親族の発言を完全否定されてしまったのですからね。独占告白を軸に宇多田家の暴露本を出版する計画まであったようですが、それも全てパーになってしまった。商売の種とメンツを潰された文春サイドは、それに代わる宇多田のスクープをモノにしようと躍起になっています」(前出・同)
執拗なメディアの取材攻勢に対し、失意の状態にありながらもネットを武器に果敢に応戦している宇多田。この戦いは宇多田の精神状態にかかわらず、しばらく続きそうな気配だ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)