
7日に放送されたナインティナインの出演するバラエティー番組『めちゃ×2イケてるッ!SP』(フジテレビ系)の平均視聴率が22.3%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)を獲得し話題を集めている。ナイナイとしては、つい先日、年末年始にかけて放送された『ぐるナイSP』(日本テレビ系)が、2週連続で平均視聴率20%を越えたとして話題になったばかりだけに、今回の大台突破は、番組や局の枠を超えての彼らの人気の高さを証明したといえる。
EXILEのライブに岡村が挑戦するという内容が放送された先日の『めちゃイケ』。ダイエットや体作りと平行してダンスを学ぶ岡村の真摯な姿勢は、多くの視聴者に感動と笑いを届けた。ネットなどの書き込みでも、「岡村さすが」「久しぶりに面白かったw」などと好意的な意見が多く見られた。一時期は、ネットにおける韓流批判を批判して「嫌なら見なければいい」と発言し反感を買った岡村だったが、今の彼にそういった批判はうかがえない。
「視聴者は、一昨年の長期療養から見事な復帰を果たした岡村に”復活”や”再生”というイメージを持っているのかもしれませんね。今の日本は、長引く不況や政治の混乱、そして大災害に見舞われ、国民の多くが復活や再生を望んでいますから。そういった深層心理に岡村という芸人が響くのかもしれません。バラエティー番組を一切見られなかったというほどの深刻な状態から、見事にそのバラエティーをこなしている彼の様子は、多くの人に勇気を与えるのかもしれませんね」(業界関係者)
ナイナイの岡村が、再生や復活のシンボルとして人々の目に映っているのではないかと指摘する関係者。人々の心の内なので、本当のところは分からないが、確かに彼のひたむきな姿勢や、それでいて笑いを忘れない態度は好感が持てる。何より、そんな彼の行動は見ていていい気分になる。今、岡村という芸人はどんなにブレイクが叫ばれている若手芸人より、輝いているといえるだろう。しかし、このことは同時に同番組における新メンバーの存在意義を問うことになる。
ある意味でオリジナルメンバーをそのまま写し取った形で構成されためちゃイケの新メンバー。女芸人枠で選ばれたたんぽぽはオアシズで、イケメン枠の敦士は武田真治、そしてアイドル枠の重盛さと美は雛形あきこで、ナイナイの後継として選ばれたのがジャルジャルだった。唯一例外は素人として採用された三中元克だが、彼は全国に散らばるめちゃイケ信者の代表、もしくはシンボルといったところだろう。
そんな新メンバーだが、その選出の経緯は、岡村不在という急場をしのぐためだった。しかし彼らが選ばれた矢先に岡村は見事に復活を遂げる。もちろん番組としては歓迎すべき岡村の復活だが、このことはジャルジャルにとって不運だったかもしれない。なぜなら、ナイナイの後継として選ばれているジャルジャルにとって、相手にするべきは当然ナイナイであり岡村となり、彼らに対抗するにはあまりにも力の差がありすぎたからだ。
ジャルジャル本人たちも分かっているのだろう、彼らはことあるごとに番組内の企画で岡村に牙を剥き、対抗するという構図で笑いを取りに行く。しかしその都度跳ね返されるジャルジャルは、ネットなどで叩かれ人気を落とし、新メンバー決定後飛躍的に活躍の場を広げたたんぽぽらと違って、テレビなどでの露出は控えめになった。逆説的にいえば、このジャルジャルの人気の凋落が、岡村の株を上げているともいえるのかもしれない。
復活というイメージに加え、新メンバーの構成によって図らずも人気の再燃を果たしたナインティナイン。特に岡村は、韓流批判の渦巻く中、少女時代を好きだと公言し、ネットそのものを批判しながらも復帰以降目覚しい活躍を見せている。やはり、テレビバラエティーにとって、韓流云々の問題より重要なのは、出演するタレント陣のひたむきさや一生懸命さから生まれる笑いなのだろう。そしてそんな要素を全て兼ね備えているのが、ナインティナインの岡村といえる。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)
『EXILE LIVE TOUR 2011 TOWER OF WISH ~願いの塔~』
岡村さん出演シーンは収録されるのかな?