「南極をミタ11人のカレとの99日」明暗くっきり秋の新ドラマ

 『南極大陸』(TBS系)や『家政婦のミタ』(日本テレビ系)など、久々に豊作揃いだと話題の2011年秋の新ドラマ。今月1日に『カレ、夫、男友達』(NHK)が放送を開始し、主だったドラマはこれで全て出揃ったことになる。にも関わらず、ネット上から聞こえてくるのは早くも明暗が分かれたという声ばかり。まずはこれまでの各ドラマの視聴率をおさらいしてみよう。

放送曜日:タイトル(放送局)/初回/第2回/第3回
月:私が恋愛できない理由(フジ)/17.0/15.7/14.8
火:謎解きはディナーのあとで(フジ)18.1/16.1
火:HUNTER(フジ)/9.8/11.8/11.5
火:カレ、夫、男友達(NHK)/6.5
水:相棒10(テレ朝)/19.7/17.4
水:家政婦のミタ(日テレ)/19.5/18.7/19.8
木:科捜研の女(テレ朝)/17.1/10.7
木:DOCTORS(テレ朝)/13.7
木:ランナウェイ(TBS)/12.5
木:蜜の味~A Taste Of Honey~(フジ)/11.6/8.2/8.4
金:専業主婦探偵(TBS)/12.6/8.7
金:11人もいる!(テレ朝)/11.4/9.4
土:妖怪人間ベム(日テレ)/18.9/17.1
日:南極大陸(TBS)/22.2/19.0/16.9
日:僕とスターの99日(フジ)/10.2/9.7

「前評判どおりに高視聴率を稼いだのはTBSの『南極大陸』とテレビ朝日の『相棒10』、それにフジテレビの『私が恋愛できない理由』と『謎解きはディナーのあとで』という感じでしょうか。いずれも、放送開始前に雑誌やWEBサイトで行われた新ドラマ期待値ランキングで上位に入っていたものでした。逆に、ほとんどのランキングで上位に食い込まなかったフジテレビの3ドラマ『僕とスターの99日』『HUNTER』『蜜の味』は、低かった前評判どおり数字を稼げていません。多くのランキングがネットを介して行われていることから、この結果はネットユーザーとテレビ視聴者というのが、必ずしも違う種類の人間ではないということがわかると思います。最近では『若者のテレビ離れ』なんていう言葉がよく聞こえてきますが、ネット上でテレビドラマを話題にすることも多いですからね。つまり若者だって十分テレビを見ているわけですよ」(芸能ライター)

 今週発売された「週刊ポスト」(小学館)には「テレビの壊死」という特集が載っている。権力を監視するはずのマスコミが、その一部となって機能しているという、現在のテレビ業界を痛烈に批判した内容なのだが、その中で「若者のテレビ離れ」という項目が約2ページに渡り掲載されている。ポストは、記事の中でここ数年のテレビ全体の視聴率低下というデータや総務省発表の「情報通信白書」を元に「若者の視聴率 わずか5年で3割減」という現状を示す。もちろん、客観的データに基づくというこれらの記事に異論はないが、だからといっていきなり「テレビは死んだ」というには早急ではないだろうか。

 前出のライターが指摘するように、ネットユーザーの多くはテレビについて語り、ときに標的にしたり賛美したりして常に話題を作ることを欠かさない。確かに、ネットユーザーの中にはテレビを「オワコン(終わったコンテンツ)」と表現する人々も多い。が、そうした人々が話題の対象にしているのは、やはりテレビだったりする。ダメだダメだといいながら、彼らはネタを求めてテレビを見る。そんな現状を見る限り、若者のテレビ離れというにはまだまだ無理があるのではないだろうか。やはりテレビは話題の中心にあるし、それを語り合う場が主にネットになっているということだろう。

 『カレ、夫、男友達』で、DV夫のユースケ・サンタマリアが木村多江にマヨネーズをかけるという演技をするれば、すぐに注目するのがネットという世界。今期の新ドラマに対するさまざまな意見もすでに多く飛び交っている。テレビドラマがこれだけ話題を集める現状を見れば、まだまだテレビも捨てたものではないと思う。

(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)

『SPACE BATTLESHIP ヤマト スタンダード・エディション 』

 
宇宙でコケたキムタクは南極で復活?

amazon_associate_logo.jpg

men's Pick Up