AKB48のコント番組「びみょ~」とインターネットテレビの可能性

akb_bimyou1013.jpg※画像「びみょ~」公式サイトより

 先月末からインターネット上の「ひかりTV」で放送されているAKB48のコント番組「びみょ~」が話題を集めている。といってもその話題は賛否両論。「普通に面白いw」や「久しぶりに笑った」という意見がある一方で、「アイドルがコントやりだしたら終わり」や「笑う場所がわからない」といった辛らつなコメントも多く見受けられる。いちおう記者も初回放送分は見たものの、月額3,000円(プランにより金額差あり)というひかりTVの基本料金を払い続けるかどうかというのは、まさに微妙といったところ。そもそもAKB48にあまり興味はなかった記者にしてみれば、少女たちがコントに奮闘する姿は愛くるしいものの、その反面どこか親心を持って見てしまい、笑うに笑えない場面に遭遇してしまうといった現象に見舞われる。

 とはいえ、ネット上の書き込みに「クオリティが高すぎる」といった意見があったように、さすが秋元康と言うべき点もいくつか見受けられる。まず、(これは記者がAKB48に対して無知なだけかもしれないが)各コントにおける人選が的を射ているというのは誰もが認めるところだろう。たとえば、レッスン場(柏木由紀、高城亜樹、小嶋陽菜、指原莉乃、篠田麻里子、高橋みなみ、前田敦子)というコントは、現センターを担っているという役柄の指原が、札幌から上京してきた新人という設定の前田に「センターなめんじゃない!」とケンカを売る内容で、この設定のチグハグさはコントの王道ともいえるもの。コントの中身はシンプルながら、指原のスベリ&イジられキャラを活かしたオチは、AKB初心者の記者には新鮮なものがあった。

 さらに、ほかのコントも、それぞれ出演陣のキャラクターを活かしたものばかりとなっている。「楽屋」では板野友美がクールなたたずまいで「Dear J」と呟き、「スナックさえ」では持ち前のポテンシャルを活かした大島優子が見事にハゲ親父を演じ切る。「にわとり小屋」ではリアクターとしての素質豊かな峯岸みなみがにわとりに戸惑いながら自虐的に振舞い、「フェロモン刑事」の河西智美は、アイドルらしからぬ大人の色気を武器にして見事なオチを引き出した。

 コントにとってキャラクターの設定はなによりも重要な要素。同じキャラと台本でも、演じる人が違えば、その面白さは倍増もするし半減もする。そういったコントの特徴を踏まえると、AKB48という大所帯のグループには、まだまだ大きな可能性が潜んでいるといえるだろう。なにせ、人数が多ければそれだけ多くの個性が潜んでいることだから。なにより、これまで彼女たちを育ててきた秋元にしてみれば、彼女たちの個性を踏まえて適材適所でコントを構成することはそれほど難しいことではないだろう。このコント番組を続けていくことで、新たな才能が開花し、人気の上がる子というのも出てくるに違いない。

 WEB環境が整うにつれ世の中に浸透してきたインターネットテレビ。その数は、政府の配信するものから個人レベルのものまで、無数に存在する。とはいえ、そのほとんどがワンテーマの単一番組で構成されており、AKB48のコント番組を定期的に流している「ひかりTV」などの総合性をもったエンターテイメントメディアは少ない。そして、そうした総合的にエンターテイメント全般を配信しているインターネットテレビで、よく目にするのが、まだ大手テレビメディアで活躍の場がない芸人たちのコント。放送時間に縛りのないインターネットテレビでは、地上波のテレビと違って途中から目にしてしまうということがないため、区切りのいい芸人のネタは重宝されるのだろう。国民的アイドルにまで上り詰めたAKB48がテレビでコント番組をやらず、インターネットテレビという場を選択したのは、そうした理由からなのかもしれない。

 2000年代初頭に巻き起こった若手芸人のネタブームが終焉を迎え、テレビでコントなどのネタを見る機会が少なくなったことを嘆いている人々もいるだろうが、インターネットテレビには以前にも増して多くのネタが氾濫している。しかもそれらのネタはいつでも好きな時間に見れるわけだ。若者のテレビ離れが叫ばれるのもわかる気がする。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)

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微妙はAKBの武器だ!

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