相撲界や芸能界より根深い? ボクシング業界と暴力団の関係

boxing0908.jpg※イメージ画像 photo by Luis Alberto Montalvo from flickr

 2010年に発覚した大相撲の暴力団交際問題、先月23日に暴力団幹部との交際が原因で引退した島田紳助の騒動と、スポーツ界や芸能界で暴力団絡みの問題が続発し、各業界は警察と協力して暴力団との関係を断とうする姿勢を見せている。だが、両業界と暴力団は昔からの付き合いがあり、本当に関係を断つことができるのか、疑問視する声も上がっている。

 そんな相撲界や芸能界よりも暴力団との関係が根深いとされているのが、ボクシング業界だ。世界戦になると、テレビ中継に映るリングサイドに黒スーツの組長クラスがズラッと並ぶのは名物的な光景となっている。ネット上では、一部のヤクザファンたちが「○○会長が映った!」「○○組長、元気そうやな」「あまり姿を見せない○○組長がいる。これは貴重だ!」などと、試合そっちのけで熱い書き込みをしているほどだ。

 紳助の引退の原因となったメールの相手も、元プロボクシング世界王者の渡辺二郎であり、彼は表舞台から遠ざかってからは、山口組系二次団体の相談役を務める”本職”になってしまった人物。同じようにボクシング界からヤクザに転身してしまうパターンは、意外なほど多いという。

「確かに、元ボクサーの暴力団関係者は結構いますね。現役時代から面倒を見ている組関係者が、引退後にスカウトするようです。引退後にボクシングの指導者になれるのは一握りですから、選手たちは引退後の第二の人生に不安を抱えています。元ボクサーという経歴がハクになるヤクザという職業に引かれてしまうのも、無理ないのかもしれません。組員にはならずとも、ヤクザの紹介で暴力団の息のかかった企業に就職する選手もたくさんいます」(実話誌ライター)

 また、ボクシング界で唯一のドル箱といわれる亀田3兄弟にも、暴力団の影が付きまとう。2006年、週刊誌「フライデー」(講談社)が亀田一家と山口組系の大物組長H氏が会食している写真を掲載。当時、H氏は亀田兄弟の後援会の会長を務めており、興行権・プロモート権の管理もしていた。長男・亀田興毅が初の世界王座を獲得した試合が、平日である同年8月2日に組まれたのも、H氏の誕生日だったからと言われている。亀田家がグリーンツダジムを離れてからは、亀田家への支援を打ち切っているが、当時は蜜月の関係だったことは間違いない。

 さらに興毅の同試合では、後援者が選手に金一封を贈る「奨励賞」の提供者の一人として、山口組系の大物組長G氏(現在は引退)の名前が場内にアナウンスされ、関係者を仰天させる一幕もあった。

 昨年5月の大相撲夏場所において、日本相撲協会に一定額を寄付した団体・個人向けに用意された土俵際の「維持員席」で住吉会系の組長が観戦していた問題でも、そのチケットは「ヤマグチ土浦ボクシングジム」の岩本悟会長が旧知の仲である元呼び出しに依頼して手に入れたものだったことが明らかになっている。岩本会長は入手したチケットを知人の建設会社の元社長に譲渡し、それが最終的に組長に流れたと説明したが、元社長と岩本会長を引き合わせたのは、元世界王者で日本プロボクシング協会の前会長(現顧問)でもあるファイティング原田こと原田政彦氏だった。

 日本人初の二階級制覇を果たした名選手として世界ボクシング殿堂入りもしている原田氏だが、かつて暴力団関係者が所有するビルに自身のボクシングジムを構えたことが明らかとなり、”黒い交際”が囁かれた過去もある。

 これらの事実を見る限り、ボクシング界はトップから末端に至るまで暴力団との関係が非常に根深いように思える。ボクシング業界は、暴力団関係者へのチケット販売を禁じたり、警察と協力して会場からの締め出しに乗りだしているが、その効果を疑問視する声も多い。

「業界の暴力団排除運動は、昔から何度もありました。しかし、結果としてほとんど排除できておらず、目立たないように関係が水面下に潜ったくらいのものです。スポーツであると同時に興行という側面もあるプロボクシングの特性上、持ちつ持たれつの関係を解消することは簡単にいかないでしょうし、仮に協会が暴力団の締め出しに本腰を入れたとしても、各ジムや一部の選手が暴力団との交際を続けていれば、何の意味もありません」(前同)

 負の面ばかりでなく、元暴力団員で薬物中毒の過去を持つボクサー・川崎タツキ(現在は引退)が、刺青を消して厳しいトレーニングの末にプロになり、見事に更生を果たしたという例もある。だが、青少年への影響も大きいスポーツの世界では、闇勢力との交際は好ましくないことに違いはない。暴力団を完全に排除するためには、ボクシング協会をはじめジムや末端の選手まで全てが一丸となって「NO」を突き付ける覚悟が必要になるだろう。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops

『Girls S-cup 2010』

 
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