日テレ直撃取材「上原美優にボカシ処理」問題! テレビ局の行き過ぎた自主規制!!

 12日未明に都内の自宅で首をつって亡くなったタレントの上原美優。あまりにも突然だった悲劇は、テレビにおける自主規制という問題を浮かび上がらせた。

 事の発端は、彼女の死の翌日に放送された『金曜スーパープライム 世界☆ドリームワーク』(日本テレビ系)。上原の出演していた同番組の放送だったが、局は彼女の出演VTRをカットし、ひな檀にいる彼女の顔にモザイクをかけた。そして、この処置について多くの視聴者から寄せられたのが「なぜ?」「べつに犯罪を犯したわけでもないのに」「遺族だって彼女を姿を見たいはずだ」などという声だった。ネットユーザーを中心に上がったこの声の中には、臭いものにはとりあえずフタをする、というテレビの隠ぺい体質を非難するものが多かった。芸能界事情に詳しいライターは今回の騒動についてこんなことを言う。

「テレビ番組というのは、編集次第でどうにでもなってしまうものです。例えば、これは有名な話ですが、ダウンタウンとナインティナインが共演した番組で、岡村さんのギャグの後に松本さんが笑っている映像が差し込まれ、あたかも岡村さんのギャグに笑う松本さんという場面が流されたことがありました。当然、テレビを見ている人は、”松本が岡村のギャグで笑っている”と思うわけですよね。でも、この放送を目にした松本さんは、後日自分のラジオ番組で”1つも笑ってない”と語っています。つまり、テレビというのは、否応なく直接視聴者に届いてしまうんです。だから誠実じゃなければならない。確かにヤラセと演出の線引きは難しいですが、せめて視聴者の無意識に残る印象の部分でのウソは排除すべきです。自主規制というのも、編集作業などと同じで、制作側が自らの判断で行うものですから、そこに不誠実な意図が加わってはいけない。だから規制するには、それなりの覚悟がいるわけです。ただ、問題は何でもかんでも規制すればいいってことではないということです。今回の上原さんの件も、局とすれば、とりあえずモザイクかけとけばいいだろうってことで規制したはずです。その安易さこそが問題なのではないでしょうか。もっときっちり検討し、ご遺族の意向も確認して放送するべきだったのではないでしょうか」(芸能ライター)

 確かに、このライターの言うように、遺族への配慮がモザイク処理の理由ならば、間違った対応だったような気がしてならない。配慮というなら、彼女の出演番組について遺族に連絡し、放送の是非を問うか、残念ながら最後になってしまったが彼女の活躍を見てくださいと言うのが筋ではないだろうか。ただ単に遺族への配慮ということだけでモザイクをかけてしまっては上原本人も天国で納得していない気がする。

 記者が日本テレビに問い合わせてみると、担当者は「まだ亡くなって日が浅かったため、ご遺族や関係者のお気持ちを考え、割愛させてもらいました」と述べるにとどまった。遺族に確認を取ったかどうかという質問には、「そういうことはしてない」とのことだった。まさに自主規制というわけだ。

 すでに収録の終えた彼女の出演番組について、日本テレビ側は検討中だとしながらも放送する予定であると教えてくれた。だが、そもそも犯罪を犯したわけでもない上原にモザイクをかけるのは、行き過ぎた処置である気がしてならない。確かに首つり自殺というワードはあまりにも衝撃的だが、自殺以前の彼女は視聴者に笑顔を届けたいと一生懸命仕事をしていたはずである。そんな彼女のためにも、局はモザイクをかけるべきではなかったのではないのだろうか。

 残念ながらもう見ることのできなくなった彼女の笑顔。追悼番組なんて大げさなものでなくとも、ただ彼女の出演している番組をもう一度見てみたい。ご冥福をお祈りいたします。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
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『X・Y・Z』

 
もっと、美優ちゃんを見たかった。

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