
SMAPの木村拓哉(37)が、約10年ぶりに恋愛ドラマに主演するとして話題づくりに余念がなかった月9ドラマ『月の恋人 Moon Lovers』(フジテレビ系)。10日に放送された初回拡大版は、平均視聴率22.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)をマークし、今期ドラマとしては最高。スタッフ、キャストともに胸をなでおろしたことだろう。
ドラマは、インテリアメーカー「レゴリス」の社長・葉月蓮介(木村拓哉)が、上海への店舗進出を控えて現地入りし、貧乏で美しい中国人女性のリュウ・シュウメイ(リン・チーリン)と出会うことで話が展開していく。蓮介に恋焦がれる資産家令嬢でモデル・大貫柚月(北川景子)、蓮介と旧知の仲であるインテリアデザイナー・二宮真絵美(篠原涼子)、さらに蓮介の右腕であるニヒルな中国系二世・蔡風見(松田翔太)を交え、実に五角関係の恋愛模様を描いていく。もちろん、「やんちゃで若々しい社長」を演じる木村の”キムタクっぷり”は健在だ。
だが、撮影現場では穏やかではない空気が流れているという。スポーツ紙では、「篠原と北川は本番直前まで口をきかない。篠原が北川に”ちゃんと台本読んできたの?”と嫌みを言うことも」「北川は空き時間になるとうっぷん晴らしに恋人であるNEWS山下智久と携帯電話でおしゃべりを始める」などと、女優同士の確執がすでに報じられており、今回”ミューズ”として呼び寄せられたリン・チーリンも居心地悪そうにしているという。そんな女優陣の雰囲気を察してか、木村は有名菓子店のロールケーキなどの差し入れを欠かさず、終始気を遣っているようだ。
「木村さんは共演陣を、『翔太』『景子』『涼子』とファーストネームで呼びますし、自分がいい潤滑油になろうと積極的にリンを含めた5人で食事の場を設けています。本人は『おかげで、ものすごく打ち解けることができた』と自負しており、一体感を出そうと必死ですが、女優たちのライバル心は根強く、雪解けはまだでしょうね。まあ、役柄上、北川と篠原は仲が悪いという設定ですから問題はないかもしれませんが」(週刊誌記者)
いくら現場の空気が悪かろうと、結果を出せば文句はないだろう。しかし、初回視聴率こそ20%を超えたものの、今後、高視聴率を維持できるかどうか。
「ここ2年あまり、月9の視聴率はひどい惨状です。2008年の『太陽と海の教室』は平均14.79%、『イノセント・ラブ』13.60%、09年の『ヴォイス』は14.56%、SMAP中居正広主演の『婚カツ!』に至っては、10.63%ですからね。北川景子と山下智久の『ブザー・ビート』も14.37%で、人気絶頂にあった小栗旬と水嶋ヒロの『東京DOGS』でさえ 15.75%でした。まさに”若者のテレビ離れ”ですかね(苦笑)。キムタクを起用したからといって、かつてのように30%近い数字を叩き出すことはもはやできませんし、現場での課題は明確な数字目標ではなく、今期ドラマの中でもっとも高い平均視聴率で終えることだと言われていますよ」(ドラマウォッチャー)
現に、今期放送中のドラマで、初回は好調と見られた上戸彩主演の『絶対零度~未解決事件特命捜査~』(フジテレビ系)は、回を追うごとに下がり、第4回の視聴率は12.9%。初回は21.0%と高い数字をマークした『新参者』(TBS系)も、翌週は15%に落ち込み、現在の平均は16.45%だ。その他、17.5%と好調な滑り出しを見せていた『怪物くん』(日本テレビ系)も、第3話は12.8%、第4話も13.1%と、及第点の15%割れ。唯一毎回、15%を超えているのが、テレビ朝日系の『臨場』(平均17.52%)という状況だ。
フジテレビおよびジャニーズ事務所は、キムタクの威信にかけてなんとしてでも15%割れは避けたいところだろうが、このテレビ不況においてはそれも難しいかもしれない。せめて、最終話までに現場の不和だけでも解決されることを願いたいところだ。
こちらは平均20.48%でギリギリ