大改編断行のTBSに「今さら紳助?」のギモン噴出

tbs0325.jpg※イメージ画像:TBSHP内『オールスター感謝祭』ページより

 先頃、民放5社の4月からの番組編成が発表された。6年連続で視聴率3冠を達成しているフジテレビの一人勝ち状態を切り崩すべく、各社がゴールデンタイムに新バラエティーを投入するなど工夫を凝らしている。そんな中で、ゴールデンタイムの6割を改編という大手術を断行したのが、視聴率低迷に悩むTBSだ。

 TBSは09年4月の改編で、社運を懸けた報道番組『総力報道! THE NEWS』(月~金曜日午後6時40分~7時50分)を開始したが、視聴率が10%を超えることはほとんどなく、1年を待たずして終了が決定し、番組開始当時の編成局長は更迭された。4月の改編では、午後7時台を全てバラエティー番組に切り替える。

 『がっちりマンデー!!』『飛び出せ!科学くん』など朝や深夜帯の好調番組をゴールデンに昇格させるなど、手堅い編成を見せる一方、火曜午後7時は島田紳助が司会を務める『紳助社長のプロデュース大作戦!』をスタートさせる。これは、単発番組をレギュラー化したもので、各業界からオファーを受け、それに見合ったスターの原石を発掘するという内容だ。紳助はAKB48に対抗した「赤坂サカス48を作りたい」などと語り、”あるある探検隊”ネタでブレイクしたものの現在は低迷している「レギュラー」を宮古島に派遣し、民宿をオープンさせる企画などが進行中。紳助のTBSゴールデンでのレギュラー出演は1年半ぶりであり、いわば改編の目玉ともいえる番組だが、周囲からは早くもこんな声が上がっている。

「明らかにコンセプトが『クイズ!ヘキサゴンII』(フジテレビ系)や『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)の紳助プロデュース企画のパクリで、既に向こうも落ち目になっているというのに、視聴率の巻き返しのために、プロデュース企画を全面に押し出す意図が理解できません。紳助さんがギャラを下げたらしいので、おそらく、それに飛びついたんでしょうが……。広告費の減少に視聴率低迷などジリ貧状態にも関わらず、局幹部の危機感が薄いですし、現場からいくら悲鳴が上がっていても、自分たちの身に振りかからないと古い感覚から抜け出せないのでは」(制作会社スタッフ)

 確かに、大改編を断行しながら、その目玉が紳助のプロデュース企画では今さら感が否めない。新番組だけでなく、他の編成についても疑問を投げかける声が上がっている。

「かつては平均視聴率16~17%を記録していた長寿番組『関口宏の東京フレンドパークII』は、『総力報道~』開始の影響で月曜7時から木曜8時に移動させられ、視聴率がひと桁に落ちました。家族で見るような番組ですから、放送日と時間の移動は痛かったと思われます。4月編成では、月曜7時に1年ぶりに復帰しますが、関東の同時間帯には平均20%を超える『ネプリーグ』(フジテレビ系)がいる。新味のない『フレンドパーク』に勝ち目はなく、TBSは自ら看板番組を潰してるようにしか思えません」(前出)

 TBSテレビの石原俊爾社長は、大幅な編成変更について「予想以上に広告が落ち込み、時間をかけて番組を育てる余裕がなくなった」と語っているが、尻に火がついた結果がこの編成では、不満の声が漏れてくるのもうなずける。このままではいつか、テレビ東京にも抜かれ在京キー局ワーストワンに君臨する日がきてもおかしくないのかもしれない。
(文=ローリングクレイドル/Yellow Tear Drops

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