略奪結婚騒動-女性の奪い合いで数十名が大乱闘

ThinkstockPhotos-5280637692016.jpg※イメージ画像:Thinkstockより

 「略奪婚」というのは婚姻風習のひとつで、他部族や他集落などから女性の意思に関係なく、強制的な奪取によって行われる結婚のパターンを指すものである。かつては多くの地域や民族で行われていたといわれており、今日の結婚指輪の風習はその際の手枷や足枷の名残であると考える説もある。

 辞典などには原始社会や未開民族でみられる風習などと紹介されているが、わが国では明治維新以降にも行われていた地域があると資料に残されている。そして、それが原因となった事件も起きている。

 昭和5年(1930)9月26日のこと、大阪のある村に住む22歳の男性が、かねてから慕っていた19歳女性との結婚を決意。「同村に旧くから伝わる風習によって」この日の夕方7時ころ、村の青年団の者たち十数名とともに赴き、村の中で待ち伏せた。そして、村の共同浴場から帰宅する途中の19歳女性がやってくるのを認めると、彼女にいっせいに飛び掛り、担ぎ上げて自分の村へと連れ帰った。そして、某所で結婚したい旨の説得を行った。

 しかし、これを知った女性の義兄は、勇敢にも単身で連れ去られた村に急行、無事に妹を助け出した。

 ところが、22歳の男もあきらめない。今度は村民約30名の応援を得て、女性の自宅に押しかけた。そして、「娘を渡せ!」「渡すものか!」と、強奪隊と娘の家族との対決になった。

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