【AV撮影現場今昔】 最終回:劇場化するAV撮影

0806joseigeki_fla.jpg※イメージ画像:Thinkstockより

 10年ひと昔前のAVと今日の最新トレンドを撮影現場の模様から振り返る短期集中連載『AV撮影現場今昔』。最終回の第6回は、AV撮影が密室の狭いスタジオを飛び出して“劇場化”し、大きく花開いた繚乱の時代を振り返る。

<『AV撮影現場今昔』バックナンバー>
第1回:「擬似本番女優」の時代
第2回:潮吹きAV創成期
第3回:疾風怒濤のぶっかけブーム(前篇)
第4回:疾風怒濤のぶっかけブーム(後篇…または汁男優篇)
第5回:マニアAV花盛り

 『全裸○○』『マジックミラー号』シリーズや『空中ファック』などの斬新で大胆な企画AVで世間を賑わせていた“企画のソフト・オン・デマンド”。2001年に『女柔道家VSレイプ魔』がヒットすると、これもシリーズ化されることになった。といっても、そのタイトルの通り、出演する女優(女格闘家)には苛酷を極める撮影内容で、顔面を強打されて鼻血を流したり、関節技で肩を脱臼するシーンなどもあり、この過激さが注目を集めていた大きな要因であった。この時期、世の中ではK-1やPRIDEなどのこれまでにない格闘技がブームの最盛期を迎えていたこともあり、今思えば“ガチンコ”を強く求めていた時代だったのかもしれない。

 
■特設リングで女子格闘家が殴りあうAV撮影

 取材する機会を得たのは、シリーズ第3弾の『女格闘家ガチンコキャットファイト』(SODクリエイト/2001年)だった。撮影場所は横浜港にある元巨大クラブ(元は倉庫)だった施設で、屋内には本格的なリングが設置されるなど、ホンモノの格闘技イベント会場と呼べるものであった。

 その某巨大施設は80年代のバブル経済期の名残りのある、いわゆるウォーターフロント開発の遺物のような建物であったが、バブル崩壊後は休業状態となり、当時は貸しスタジオになっていたようだ。奇遇にもこの後も何度かここにAVの取材で訪れることになった(気になって調べてみたら、その後リニューアルされイベントスペースとして営業中の模様)。

 会場も本格的なら“試合”のほうも壮絶であった! 3人の女格闘家(柔道家、空手家)がリング上で、服をビリビリに破かれながら死闘を繰り広げ、負けたほうが男たちの集団レイプへ! 途中で息があがって、レイプ中にボンベから酸素を吸入するヒトコマも。とにかく凄まじい撮影であったけれども、本作をはじめAV撮影がまさに“劇場化”する流れを作ったのもこの時代の特色だったように思う。

 それまではいわば密室の“秘め事”のようでもあったAV撮影を白日の下に晒し、まさにイベント化・劇場化してしまうという撮影が、ぶっかけAVを筆頭にこの時代徐々に目立つようになってきたのだ。そして、この流れに乗って、SODをはじめとする新興セルAVメーカーはどんどん勢いを増していくことにもなった。

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