樹木や車とセックスは当たり前! 世界のヤバすぎるフェティシズム

 男なら誰だってフェチや性的嗜好はある。それは間違いのない事実だ。お尻や脚、または競泳水着やレオタードなど代表的な例を挙げればキリがない。まして女装子(注:女装した男性)さえ性の対象になる昨今、もはや何フェチだなんて語ることは日常茶飯事だし、大抵のことなら理解ができる。

 しかし、世界は広い。なかには常人では理解できない奇々怪々なフェティシズムも存在する。

 イギリスに住むクリス・ドナルドという男性は、性愛の対象が女性ではないばかりか、生き物ですらない。彼が性行為をする相手は“車”だ。30台以上の車と関係を持ち、モーターボートやジェットスキーともヤリまくって、“ふかせて”やったらしい。さしずめ自動車界の加藤鷹とも言うべきか。

 アメリカのカールという男性は、花を見ると欲情するという。めしべの柱頭に亀頭をこすりつけてぶっかけるのだ。官能小説で女性器を花に例えることはあっても、実際に犯すなんて想定外である。こんなに夢のない中出しも実にめずらしい。

 決してジョークではなく、彼らは大真面目に車や花を極上の美女だと考えている。『性的嗜好大事典』(三和出版)の著者である鳥山仁氏は饒舌に語る。

「フェティシズムは、ある意味で限界への挑戦なんですよ。自らの理想を追求しつづけた結果、人間ではないものを性的対象にしてしまうというのは、彼らにとってごく自然な結論なのです。正常とはいえませんが、彼らの多くは一般社会で普通の暮らしを営んでいます。決して社会不適合者ではないのです」(鳥山仁氏)

 鳥山氏が取材してきたなかで、もっとも衝撃的なフェティシズムは、イクラをお尻の中に入れて“産卵”するという例だ。

「彼は妖精が無理やり妊娠させられて産卵してしまうという妄想に、とてつもない性的興奮を覚えたそうです。そこで、最初はウズラの卵を入れようとして失敗。今度はイクラを試したが柔らかすぎてまたも失敗。しかし、イクラをアルコールに浸して膨らませると、硬くなると知って、さっそく試したそうです。成功したときには、得もいわれぬ快感を覚えたそうです」(前出・鳥山氏)

 これらのオカシなフェティシズムは、精神医学的には性的倒錯の一種として認められている。また、日常生活において支障をきたさず、他人に害悪が及ばない場合は、治療の必要はないとされる。たしかによく考えてみれば、白い目で見られること以外には何も問題はない。SMよりもよっぽど健全かもしれない。

 こうしたフェティシズムのほとんどが幼少期の体験を原因とした性的倒錯によるものだといわれているが、なかには器質的な損傷によって異常な欲情を引き起こしているケースもある。それがクリューバー・ビューシー症候群だ。1939年に発見された症状で、側頭葉にある扁桃核という部位を切除すると、異常な性行動を起こすようになるというものだ。なかには道路と性交を試みようとした例もあり、彼らの場合は適切な治療が必要とされている。

 いずれにしても常識を越えたフェティシズムは実在し、世にも奇妙なセックスが世界中で繰り広げられているのは事実だ。だからとはいわないが、自分が変態だと思い悩む必要はない。もっと欲望を解放しちゃってもいいんです! ただし、誰にも迷惑をかけなければの話だけど。
(文=中河原みゆき)

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