アメリカでは常識! セックスセラピーって何?

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 皆さんはセックスセラピーと聞いて何を思い浮かべるだろうか。決して新しい形態の風俗でもソフトオンデマンドの企画モノAVでもない。性生活での不安や悩み、セックス時の痛みや不快感を治療することを目的とするカウンセリングの一種である。心理学の発達したアメリカでは、広く一般的にセックスセラピーは知られている。

 実は、なじみの薄い日本でもセックスセラピーは一部で行われている。しかし、ネットで調べても抽象的な事例が出てくるばかりで、どうしてもエロい妄想ばかりが浮かんでしまう。では、具体的にどんな行為が行われているのか、女性カウンセラーに話を聞いてみた。

「ごく普通のカウンセリングと変わりません。少々意味合いは異なりますが、性に関するお悩み相談だと考えていただけるとわかりやすいかと思います。具体的にどんな悩みを抱えているかを聞いて、その悩みを改善する方法を提案するという流れが一般的です。一般男性が思い描くような性介助(手コキや性感マッサージなど)は原則的にありません。もちろんセックスに関する医学的な知識などは勉強していますが」(女性カウンセラー)

 日本でもっとも多い悩みがセックスレス。性機能全体が衰えてしまったというわけではなく、風俗やオナニーではイケるのに妻にだけ勃起しないという症状が急増中らしい。そんなときによく行われるのが、妻を思い浮かべてのオナニー治療だ。

「夫婦間でのセックスレスで多いのは、パートナーを異性として認知できなくなってしまうケースです。だから、まずはパートナーと過去にした情熱的なセックスを思い出しながら、マスターベーションをして心理的な抵抗を軽減させることをお薦めしています。最初はアダルトビデオを観ながら、パートナーを思い浮かべるというのもいいかもしれません。それで射精できるようになったら、触れ合うことが重要になります。手をつないだり、マッサージをしてみたりと方法はいろいろあります。触れ合うことができるようになると自然と距離感が縮まり、セックスへの抵抗感が薄れていくのです。成功した方のなかには、40代後半で週に3回ほどセックスができるようになったという方もいますよ」(前出・女性カウンセラー)

 上記のように一般的なセックスセラピーは、セックスレスなどの日常的な性の悩みを解消するために行われることが多い。白衣を着た女医に性の手ほどきを受けられるわけではないのだ。しかし、さすがはプロ。セックス時に痛みを感じてしまうケースでは、女性器の仕組みなどを解説して、感じやすくするためのテクニックを伝授してくれることもあるそうだ。

「欧米ではそのような行為が行われることもあります。基本的に膣内だけでオーガズムを得ることは難しいので、クリトリスの愛撫の仕方や、前戯にどのくらい時間をかけたらいいのか、実際にオーガズムに達した女性の反応などを教えるそうです。日本でもどうやって愛撫をしたらいいのか詳しく教えてくれるセラピストもいるようです。女性はオーガズムを得られるようになると、男性に対して好意を抱きやすくなるというデータもあります。アダルトビデオなどで間違った知識を得るよりも確実だと思います」(前出・女性カウンセラー)

 たしかにAVの現場では、女優が盛大にイッたかと思いきや「全然イッてないですよ」なんて平然としていることもしばしば。ちなみに、濡れてるからといって感じているわけでもないそうなので要注意。あるAV女優の意見では、「潮吹きなんかよりも感じやすいポイントをじっくり責められたほうがイケる」そうだ。

 日本のセックスレス夫婦は約4割にも上ると言われている。ましてや2030年には人口の3割が高齢者になると想定されており、少子高齢化は深刻だ。セックスセラピーが普及すれば、女性も男性もハッピーで社会問題も解決するかもしれない。
(文=中河原みゆき)

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