とある平日の午前中のこと。いつものように出会える系サイトを物色していると、気になる書き込みを発見した筆者。
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午後から会える人!(o^∀^o)
はじめまして、チナツです
まだこのサイトに登録したばかりなんですが、お手柔らかにお願いします。
さっそくなんですが、今日のお昼位から夕方まで遊んでくれる人いませんか?
バイトが18時からなんで、のんびり楽しみたいです。
ガツガツしてる人は苦手なんで、余裕のある年上男性が希望です(ハート)
12月0*日09時20分
受付メール数:0/無制限
♀チナツ
24歳
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筆者の愛用サイトのひとつである【イククル】で見つけたこの書き込み。お昼から夕方までみっちり楽しめそうではないか! しかも、あまりこういう遊びに慣れていない感じが伝わってきてイイ感じである。こんな書き込みをスルーしたら罰が当たるってものだ。コレはイクしかあるまいて!
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こんにちはチナツさん。
都内のデザイン会社でWEBデザイナーをしているショーイチ、36歳です。
今日はちょうどお休みだったのでヒマしてたんです。
そんな時、たまたまサイトでチナツさんの書き込みを発見しちゃいました!
今日は一日ヒマしてますし、場所も都内ならどこでもOKですよ。
どうせ出会うなら、お互いにまた会いたいって思えるようなものにしたいですね。
詳しい条件とかを教えてもらえたら嬉しいです。
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こんなメールを送信したところ、すぐに返信が届きアレよという間に交渉成立。その日の13時に新宿アルタ付近にある大型靴屋の前で待ち合わせすることになったのである。
約束の時間10分前に待ち合わせ場所に到着した筆者。そこで携帯を開き、彼女から送られてきたメールをチェックする。彼女とやりとりしたメールを読みながら妄想を膨らませる。
“ウヒっ! バイトが18時からってことは最低でも4時間は遊べそうだな。今日は体調がいいから3回くらいは余裕で発射できそうだぜ。俺のセックスの虜になって、向こうのほうからまた会いたいとか言ってきたらどうすんべ”
そんな自分勝手な妄想をしていると、いつの間にか一人の女性が筆者の目の前に立っていて話しかけてきた。
「あのぉ、サイトで約束してた人ですか?」
オワタ……。
この時、約束の時間まであと5分以上もあった。筆者としてはこれから街行く不細工ちゃんを凝視してイメトレをするところだったのだ。しかし、それよりも早くチナツちゃんがやってきてしまったのである。
彼女の顔は、男性のシンガーソングライターであるナオト・インティライミにクリソツすぎて噴き出してしまうところだった。
ダ、駄目アルヨ。ワタチ、コウイウ顔苦手ネ。男ノ知人デモコウイウ系統ノ顔ヲシタ人ヲ何人カ知ッテルケド、皆ワタチト馬ガ合ワナイアルヨ。
髪が肩までかかる長さだったので、辛うじて女性だというのが分かる程度だ。こいつが帽子でもかぶっていたら、まさにナオト・インティライミを意識した勘違い野郎といった感じだろう。
突然話しかけられた格好の筆者は、一瞬固まってしまった。はて、なんと返答すべきか? ワタチ日本語知ラナイアルヨ、とすっとぼけてみるか?
しかし筆者の服装はあらかじめメールで伝えてあるし、付近には他に人待ち顔の人もいない。他人の振りをするのは無理があるだろう。
ヨシっ、こうなったら無理やりポジティブシンキングするしかない! これだけ恋愛と縁遠そうな顔してるクセに、出会える系で遊ぼうってことは相当な好きものなのかもしれないな。もしかしたら、すんげぇ具合のいい道具を持ってんのかもしれない! それにパイオツは人並み以上にありそうだから、オッパイ付きのオナホールと思えば上出来ではないか!
笑顔が引きつらないよう心がけながら応対することにした筆者。
「あ、チナツちゃんかな?」
「は、はい」
「待ち合わせしてたショーイチだよ。今日はよろしくね」
「こ、こちらこそ……」
うーん、どうにもノリが悪い。いつもだったらピエロを演じるつもりで場を盛り上げる筆者だが、ナオト相手に道化を演じることは難易度が高すぎた。
「じゃ、さっそくだけど行こうか?」