「人気者は良い人じゃなきゃダメ」泉谷しげる、薬物騒動のASKAへ辛口コメント

 29日未明に放送された『ワイドナショー』(フジテレビ系)に泉谷しげる(65)が出演した。日ごろ、ワイドショーに取り上げられる側の芸能人が、芸能ニュースを取り扱うというこの番組。司会を東野幸治(46)が務め、コメンテーターに松本人志(50)を添えた布陣のためか、毎回ネットニュースで取り上げられるほど、遅い時間の放送にもかかわらず注目されている。今回の放送でも、ゲスト出演した泉谷が、薬物疑惑の渦中にあるASKA(55)に対して独特の言い回しでコメントを寄せ話題を集めている。

 今年8月に「週刊文春」(文藝春秋)が報じたASKAの覚せい剤使用疑惑。当初、本人は全面否定していたものの、その後文春の記者を自宅に呼び、「覚せい剤は使用していないが、アンナカ(安息香酸ナトリウムカフェイン)という興奮剤は使っていた」と話したASKA。その際、アンナカを提供してくれたのが「暴力団関係者」であったことを認めたが、事務所の承諾なく記者と接触したASKAの行動を「遺憾」とした事務所から芸能活動を自粛する旨が発表された。

 そんなASKAの騒動に対して泉谷は、「ミュージシャンとして気持ちがわからないでもない」と言いながら、曲作りなどを理由にするのは「デタラメ」と断言。「酒やタバコをやったからって、いいものができるわけじゃない」という。そして、泉谷は「ASKAみたいに巨大な人気のある人は、イヤでもメジャーになったら良い人やって」と持論を展開。多くのファンに支えられているのだから、「善人として生きて欲しい」「健全な人であって欲しい」と訴えた。

 泉谷はまるで懇願するようにASKAに苦言を呈す。その“想い”は、同じミュージシャンという仲間意識からくるものなのかもしれない。実際、泉谷自身は芸能界の暴れん坊として知られながら、ファンを裏切るような行為に及んだことはなく、被災地支援などを積極的に行い、その信念のある行動が評価されてもいる。「本人は違うのかも知れないけど、良い人やって」という言葉は、泉谷自身のミュージシャン哲学が色濃く漂ってくるものといえるだろう。

 またそんな泉谷は、近頃ネット上を賑わせている「Twitter投稿問題」についても触れ、「いまだに使い方を勘違いしているバカが多い」と発言。ネット上に投稿した画像などは半永久的に残ってしまうのに、それを知らない人間が多すぎると、利用者たちの意識の低さに警鐘を鳴らしていた。そして番組後半に取り上げられた日本の教育問題では、何かと批判の多い“ゆとり教育”に賛成だったという泉谷。ゆとり教育のおかげで、「(サッカーの)本田や(ゴルフの)石川のような人間ができた」と指摘し、「俺たちのころは子どもの人数が多いため振るい落とす教育だった」が、「今は少ないんだから、ゆとりでいい」のだという。

 こうした泉谷の意見には賛否両論あるだろう。しかし彼の言葉は、ASKAのように常識外れのものではない。口は悪くとも、多くの人が理解できるものだ。実際、今回の番組放送中にもネット上には「よくわかる」や「口は悪いけど正論」などといった声が上がっている。だが泉谷は、番組の中で自分のキャラクターについて「イメージを着々と積み上げてきた」と言い、自らの破天荒ぶりを強調したりもする。時に激しい言動で周囲を驚かすことのある泉谷だが、彼にとってはそれだけ世間が歪んで見えるのかもしれない。そんな泉谷はこれからも鬼の形相で自分の正義を叫び続けるだろう。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
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