AKBグループ「風紀統一ルール」作成で、狙うは長期”安定”政権!?

 NMB48のファーストシングル「絶滅黒髪少女」(7月20日発売)は初週のオリコン週間チャートで1位、SKE48の6枚目シングル「パレオはエメラルド」(7月27日発売)は月間チャート1位と、いまやAKB48だけでなく、各地を拠点とする姉妹グループも全国区アイドルとして注目を集めるAKBグループ。そんな同グループが7日、特に過去に主眼をおいた風紀に関する”統一ルール”を緊急作成することが分かったと、デイリースポーツが報じている。記事によれば、近日中にも全国のAKBグループ幹部らによる会合の場が設けられるというから、そう遠くない将来、共通のルールを用いて運営していくことになるようだ。

 この動きに、相次いで発表されたAKBグループメンバーらの謹慎騒動が影響していることは間違いないだろう。NMB48では2日、第2期研究生である島田玲奈の謹慎が発表された。彼氏と目される男性と撮影されたキスプリクラが8月上旬にネット上で発見されたことがきっかけだ。島田はこれについて”過去のもの”であると釈明。運営側も”過去の恋愛は不問”とし、当初は”お咎めなし”となっていたことを考えれば、その対応は二転三転している。また4日には吉田朱里と松田栞の謹慎、6日には10月発売予定の2枚目シングル選抜メンバーから渡辺美優紀と近藤里奈が外れることも発表。この4名についてはネット上でファンとの親密な関係がウワサされていたが、運営側がこれについて触れることはなかった。先月20日、チームNキャプテンである山本彩を含む男女4名が写っているとおぼしき「おとまりんこっ」と描かれたプリクラが出回っている。中学の卒業旅行の際のものではないかというウワサが流れており、島田と同じく”過去のもの”であるが、こちらについては特に処分はなされていない。NMB48内での処遇がメンバーによって異なることも物議を醸している。

 AKB48についても2日、森杏奈のAKB48辞退、そしてチーム4キャプテン・大場美奈のキャプテン辞任と謹慎を発表。ネット上ではこの発表の前、両名のものと思われるプロフがそれぞれ発見されており、それには彼氏の存在や飲酒をほのめかす記述がなされていた。大場はこれを認め謝罪したが、森は辞退に際して腰椎椎間板症の治療のためだとしており、プロフのウワサについては触れずじまいだった。

 相次いだ騒動の直後である今回の”統一ルール”作成の動きは、これらメンバーの処遇が、ネット上で話題となったプロフの存在やファンとの親密な関係のウワサなどと無関係でないことを示している。特に今回のルールにおいて重要視されるのは、”過去の男友達”についてであると報じられていることからも明らかだ。AKB関係者は「今後はきっちりと線を引いていく」と述べており、例えばプリクラであれば、構図など詳細にルールを決めるようだ。これまで、このような騒動が起こった場合は各グループの運営担当者が対応を一任されていたが、今後はグループの共通ルールをもとに処遇を決めていくという。

 しかし、”恋愛禁止”というルールは厳然としているようで曖昧だ。時間軸については何の説明もなく、今回はその曖昧なルールが災いして混乱を生んだ側面もある。現在進行形の両想い恋愛はNG、加入前の恋愛であれば両想いでもOK……など、まずそれを決めた上で今後は、流出したプリクラも、内容や撮影時期によってそれに応じた処分がなされていくのであろう。さらにはオーディションの際にあらかじめネット上の素行をチェックされる可能性もある。

「運営側としては当然、AKBグループ全体のブレイクをできるだけ長く継続させていきたいはずです。対するファンは、アイドルに処女性を求める傾向が依然として強く、お気に入りのメンバーの恋愛騒動や飲酒疑惑などは、そのメンバーへの愛情を一気に冷めさせてしまいますし、それどころか、騒動の内容によっては憎悪の対象ともなりうる危険をはらんでます。やっぱりファンとしては”男と遊んでいる”アイドルよりも”身も心もキレイな”アイドルであってほしいのが正直なところでしょう。  
 ビジネスという観点から見れば、できるだけファンから長く愛されるグループであることが第一条件ですが、ただ、アイドルというものはそもそも、こういったプライベートのスキャンダルがひとつの魅力でもありますよね。本人や運営側が意図しようがしまいが、スキャンダルが話題を生み、結果的にその名が売れる、という側面も持ち合わせているのではないでしょうか」(芸能ライター)

 総合プロデュースを務める秋元康はかつて「AKB48はクラスで10番目程度の女子を集めてます」と述べており、AKB48をはじめとする姉妹グループらの魅力はまさにそこにある。完璧な容姿、完璧な素行の女の子たちではないからこその面白味があるというのも事実なのだ。それを考えれば、今回のルール制定は、秋元が述べるような”クラスで10番目”の女の子たちならではの魅力がひとつ減ってしまう、ということにもなりかねない。

 ベンチャー企業は設立当初、会社然としたルールに縛られずにビジネスを展開していくが、規模が大きくなるにつれ、スタッフを束ねるためにさまざまなルールを作り出していく。前者はフットワーク軽く物事を進められるが、大規模なビジネスには適さない。後者は足並みそろえた管理が必要になり、窮屈であるがビジネスの規模は大きくなる。いまのAKBグループはまさにこの過渡期にあるとも言える。

 秋元はAKB48がブレイクした理由について「やっぱりプロセスを見せるのがよかったんじゃないか。秋葉原の”弱小チーム”が活躍していくストーリーが楽しい」とコメントしている。もはや弱小チームとは言えない大所帯となったAKBグループは、ブレイクさせるというプロセスを経て、それを延命させることを目的とした第二フェーズに入ったのかもしれない。アイドル戦国時代を制したとも言える”時代の覇者”AKBグループ。次に狙うのは長期”安定”政権か。

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