「偽アイドル」「運営コメねつ造すんな」

ニコファーレ生中継にてAKB48批判中傷コメントが全国ネットで垂れ流し!

nicofare0720.jpg※画像は「nicofarre」公式HPより

 2011年7月18日、突如として六本木ヴェルファーレ跡地にオープンした新世代ライブハウス・ニコファーレ。20代の3人に1人はユーザーだと言われるほど若者に圧倒的な人気を誇る動画投稿サイト・ニコニコ動画を共同で運営する株式会社ドワンゴと株式会社ニワンゴが手がけるイベントスペースということで注目を集めている。ニコニコ動画と連動し、様々なライブイベントに拡張現実やリアルタイムモーションキャプチャー等の超絶ハイテク処理を施してネット中継する、つまるところ全く新しいエンターテイメントを発信する夢のような空間なのだ。

 オープン初日のこけら落とし公演には東方神起、AKB48、ニコニコ動画の「歌ってみた」「踊ってみた」で人気の歌い手が多数参加し熱いパフォーマンスを見せた。同日のAKB48のステージはフジテレビの人気歌番組「HEY!HEY!HEY!」生放送スペシャル内で生中継されたが、そこに映ってはいけないものが映ってしまった。

 ニコファーレの会場には全壁面にLEDモニターが設置されており、彼女達の生のパフォーマンスの後ろに、リアルタイムで視聴者によって書き込まれたコメントが流れていくのだが、その中にAKB48に対する批判や中傷のコメントが混じって放送されたのだ。「偽アイドル」「運営コメねつ造すんな」「ゆっぱい ゆっぱい ゆっぱい(メンバー増田有華の見事な美乳の意)」、そんな言葉が、笑顔で歌い踊る本人達の後ろで流れ続けたのだから苦笑するほかない。

「コメント検閲し悪質な言葉はNGワードに設定していたでしょうが、それでも引っかからなかったコメントは流れてしまったわけです。もちろんこれまでもAKB48を批判するコメントはニコニコ動画上にもたくさんありましたし、掲示板や多くの動画サイトに書き込まれていましたが、テレビのような過保護なメディアには一切出てこなかった。しかし動画サイトと連動する空間を生中継することによって、そんな言葉の数々が噴出してしまった。テレビの生放送はさすがに危険でしたね」(業界関係者)

 しかし生放送でこそ、ニコファーレのリアルタイム感・バーチャル感の強度が伝わったのも事実である。

「ネット上には本当に悪質な書き込みはいくらでもありますから、今回はまだソフトな中傷で済んだだけマシだったと考えるべきでしょう。しかしそんな代償も気にならないほどニコファーレは魅力的です。DOMMUNEをさらに更新させたような全く新しいメディア。これまでの放送の概念、さらにライブ現場の概念を大きく覆す存在となるでしょう。リアルタイムで玉石混淆のコメントやエフェクトが宙を舞い全方向に流れていくデジタル空間の中、生身のパフォーマンスを見せるというネクストレベルな映像体験でした。実際AKB48のパフォーマンス時に視聴しコメントを書き込んでいたファンも全く新しい体験を楽しんでいたようです」(同関係者)

 正真正銘生身のアーティストと視聴者が書き込んだコメントが、リアルとバーチャルの垣根を超えて同一の空間に存在する喜び。CGのキャラクターが現実世界のニコファーレの空間に存在する喜び。新次元の感動を与える一方、ネット上では有料コメントシステム「サイリウムコメント」や1万円を超えるデジタル祝花に非難の声が挙がっている。

「ニコファーレは現状では赤字らしいので、金策に走るのもご愛嬌でしょう。ニコニコ動画で定期的に開催している有料の『ニコニコ大会議』というオフラインイベントでは、毎回2,000~3,000人の動員を記録しています。さらにネットチケット(有料生放送を視聴するために必要なチケット)も累計で5万枚以上売ったといいます。赤字だと言うものの、ニコニコユーザーの数からいっても将来的には利益を見込めるはずです。ニコニコ動画とニコファーレでお互いを補完し合う、かなり巨大なメディアとなる可能性を秘めています。新しいおもちゃを与えられたネットユーザーですが、まだまだ様子をうかがっている状態。運営はそんな彼らが食いつくようなイベントを用意してくることでしょう」(同関係者)

 一方でニコファーレはアーティスト側からも無視できない存在になるという。

「音源も動画も無料でダウンロードされるのが当たり前なネットの世界に見切りをつけ、体験に、つまり現場に足を運ばせることに価値を与えて課金するというのは、現代の風潮に合ったものだと思います。アメリカのトップアーティストの間では、音源や動画はフリーで提供し、ライブで稼ぐというビジネスモデルがもうすでに主流になっています。また、そんな現場主義者がいるのと同時に、ネットチケットを購入するユーザーが多いのがニコニコ動画の特徴なんです。有料の生放送に価値を見出してお金を出すという行為が、『ニコニコ大会議』などの定期開催によって比較的慣れているユーザーが多い。AKB48の派生ユニット『渡り廊下走り隊7』は8月3日発売のシングルリリースに合わせて、ニコファーレでトーク&ライブイベントの開催を決定しています。もちろん会場で観覧するチケットとネットチケットを同時に発売するようです。現場で観覧するユーザーと、ネット上で視聴するユーザー。魅力的なコンテンツがニコファーレにより発信されていけば、その傾向は今後ますます強くなるでしょう」(同関係者)

 ニコファーレのクオリティーを見せつけた分、アンチコメントをどう規制するかという課題も露呈した今回の騒動。もちろんテレビ生中継が今後多く行われるとは思えないが、メディア露出が多い分アンチも多いAKB48に関しては、本人がいる空間でのアンチコメントへの対応は早急に求められている。

 バブル期のリア充がその青春を謳歌したヴェルファーレは今、ニコファーレとなりネト充を満足させる場所として機能し始めている。この事実は時代の移り変わりを、そして一つのタームの始まりをはっきりと感じさせる。バブル時代の象徴となったヴェルファーレ。その跡地に立ち上げられたニコファーレは現代を象徴するスポットになっていくのだろうか。そして同時にAKB48は時代の荒波をはたして乗り越えていけるのだろうか。
(文=佐藤)

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