バラエティーMC制覇に吉本興業が王手!? 共倒れの危険性も……

mayobradio.jpg『マヨブラジオ presents ブラックマヨネーズ 吉田VS小杉 意地のガチンコマッチ』
よしもとアール・アンド・シー

 先月23日、TBSが春の番組改編を発表した。ウッチャンナンチャンや関口宏の新番組が揃う中でも注目なのは、ブラックマヨネーズ初のゴールデンメインMC冠番組『ブラマヨ衝撃ファイル 世界のコワ~イ女たち』だろう。

 注目の理由はその時間帯にある。ブラマヨの新番組は火曜21時の放送予定。つまり裏番組には『1億3千万人のエピソードバラエティー コレってアリですか?』(日本テレビ系)と『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)が揃っているのだ。すでに人気と知名度を誇る各局の顔ともいうべきバラエティー番組にブラマヨが殴りこみをかけるのだから、お笑いファンならずとも気になるところだ。

「お笑いファンの間からは、『ロンハー』でブラマヨが見られなくなると思うと寂しい、といった声を耳にします。多くの芸人が出演する同番組でも彼らの存在は貴重でしたからね。フリートークにガヤにボケにツッコミに、ブラマヨは見ていて安心できるコンビ。そういった意味では、彼らがゴールデンでメインMCのレギュラーを持ったというのは必然ですけど。まさか火曜9時とは……。これで全局を吉本が完全制覇する日も近いですね(笑)」(お笑い系ライター)

 このライターが語るように、『コレアリ』のメインMCはタカアンドトシ、『ロンハー』はロンドンブーツ1号2号。そして今春レギュラー化される『コワ~イ女たち』のブラマヨ。日テレ、テレ朝に引き続き、TBSでも同時間帯にメインMCを務めるのは吉本芸人となる。キー局ではないがテレビ東京の『開運!なんでも探偵団』の島田紳助を加えれば、ドラマを放送するフジテレビとニュースのNHK以外、すべて吉本芸人の番組となったわけだ。

「『コレアリ』の平均視聴率は10~15%で、『ロンハー』も同様です。春から始まるブラマヨの新番組も、以前単発で放送された特番の平均は13%強ありましたから、この数字なら太刀打ちできると思ったのでしょう」(業界関係者、視聴率はビデオリサーチ調べ/関東地区)

 さらに、深夜から格上げという形で現在の放送に至る『コレアリ』には根強いファンが存在し、今年で13年目となる『ロンハー』にはそれ以上に信者のような支持層がいるという。

「これらの視聴者がブラマヨの新番組に流れるかと言ったら……下手をすれば互いに番組ファンを奪い合い、結果的に共倒れなんて可能性もあります」(前同)

 同じ事務所に所属する芸人同士の視聴率競争。まさに身内同士の骨肉の争いといった感じだが、そもそも視聴者は誰がどこ所属の芸人だなんてことは気にしない。要はその番組が面白いかどうかだ。

「芸人の数が圧倒的に多い吉本ですから、その分メインを務める割合も多くなります。事務所内での競争も激しいですから、技術が高いのは当然ですし。ただ、番組の面白さは決して彼らのようなメインどころだけではありません。やっぱり脇を固めるタレント陣が重要になってきます」(放送作家)

 ドラマコントをメインに据える『コレアリ』は豊富な女優陣を揃え、「格付け」を目玉企画にする『ロンハー』にも多くの女性タレントが出演している。芸人たちだけではなく幅広い出演者を抱えたことが功を奏しているのかもしれない。そして、もちろん今春レギュラー化する『コワ~イ女たち』も過去の特番放送ではバラエティー豊かな出演者を揃えている。

 だが問題は『コワ~イ女たち』の過去の放送を見ると、そこには国生さゆりや狩野英孝といった『ロンハー』の準レギュラー的タレント陣が多く出演していることだ。同じ時刻に2番組以上に出演することはタブー視されているテレビ業界。ゲストタレントたちが同じ時間帯に出演することはない。しかも視聴者を惹きつける魅力のあるゲストタレントといっても限りがある。吉本芸人のメイン司会が乱立する春からの放送では、彼らの取り合いが激化するだろう。火曜21時、注目だ。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)

ロンドンハーツ5 [DVD]

 
ロンハー要員はいくらでもいるけど

amazon_associate_logo.jpg

men's Pick Up