「潰し屋か再生工場か」

やりたい放題の島田紳助に放送作家たちの逆襲!?

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 この季節、秋の番組改編に伴い連日連夜特番の続くテレビ放送。年に二度やってくるこの時期には、各局総力を上げて旬のタレントを起用し、あの手この手の視聴率合戦を繰り広げる。

 日本テレビやフジテレビでは、レギュラー放送している人気番組の時間を拡大して放送するのはもちろん、流行のネット動画を駆使した特番などを編成。テレビ朝日は大沢たかおのアフリカ横断ドキュメンタリーを放送した。そんな中、毎年同じ特番を繰り返すのがTBSだ。

 1991年の秋から、すでに春秋の名物特番になって20年あまり、先日2日の放送で39回を迎えたTBS不動の人気特番となっている『オールスター感謝祭』は、放送当時から変わらぬスタイルを貫いている。総合司会にも変化はなく、島田紳助&島崎和歌子という布陣を引き、回答者には、多くの人気タレントの面々やこの秋TBSで新ドラマをスタートする俳優や女優陣が揃う。06年から双方向のデジタル放送を開始し、お茶の間でもクイズに回答できるようになったこの番組の人気は依然高い。

 たしかにスピーディーで楽しいのだが、大掛かりなクイズ番組というだけで、放送内容が別段面白いわけでもないのに、なんだか気になって見てしまう『オールスター感謝祭』。多くのタレントが一同に介しているという生放送の番組自体が、これ以外には24時間テレビくらいしか見当たらず、その珍しさが視聴者をひきつけるのだろうが、なにより期待するのは、やはりライブならではハプニングだ。

 昨年秋の放送では司会の島田紳助が番組中にも関わらず東京03を恫喝したとして大きな話題を呼んだ。さすがに今年の放送では、島田紳助の横暴ぶりは伺えなかったが、それでも、紳助お気に入りのタレントたちが多く出演していることには驚きを隠せない。

 たとえば、女性タレントでは相変わらず、ヘキサゴンガールズの南明奈・スザンヌ・里田まい・misonoが出演し、芸人で言えば、同局で彼がメインMCとして放送している番組のレギュラーであるサバンナの髙橋やにしおかすみこや山里亮太などが出演した。彼らは多くの番組に関わる芸能界の大御所・島田紳助に気に入られた勝ち組と言っていいだろう。だが逆に、一時期は好かれながらも最近ではもっぱらという芸人たちの現状は悲惨なものだ。一例を挙げるなら、著書が爆発的な人気を誇った麒麟の田村など、一時期紳助の番組ではよく見かけたのに、最近ではほとんど見かけなくなった。鮮烈なデビューを飾り、一躍スターとなったオリエンタルラジオも、そのチャラい芸風をヨシとしない島田紳助との確執が噂されている。

 だが一方で気に入った芸人やタレントには、公私共に面倒をみるという一面も島田紳助にはある。にしおかすみこや波田陽区など、その最たる例だ。共にSMキャラとギター侍で一世を風靡した芸人ではあるが、一発屋の感は否めない。が、島田紳助に気に入られたことによって、彼らはかろうじて息を吹き返した。

 島田紳助がどういう基準で芸人たちを取捨選択しているのか、明確なところは誰も分からない。単純に人柄や態度などで判断しているとは思えないが、東京03の場合を考えると、それも否めない。ただ分かっているのは、多くのレギュラー番組をメインで抱える島田紳助に気に入られれば、それだけそのタレントは長命になり、テレビでの露出が増えれば自然と認知度も上がる。人気も安定するということだ。それが、島田紳助先導の視聴者誘導なのか、視聴者の目を見越しての島田紳助の采配なのかは、なかなか判断の難しいところだが……。

 今年の秋の『オールスター感謝祭』は、視聴者としては少々物足りない気もするが、ほとんどハプニングもなく終わった。ただ一点気になったところを挙げるとすれば、同番組に森三中が出演していたことだ。

 島田紳助と森三中の間には、業界では有名な確執があると言われている。それは、森三中の大島が島田紳助に対して、番組中に暴言を吐いたことがきっかけだといわれているが、芸人ならではのツッコミとして対処するかと思いきや、その後も尾を引いているというのだ。

「大島と紳助の間には未だに深い確執がある。某番組で大島が『うっせーこのやろう』と発したことが発端ですが、その時大島は本気でキレていた。と同時に、紳助も大島のことを『無礼な奴だ』とブチギレ。互いに相当憎しみあっている」(業界関係者)

 さらに、気に入らなければ自分の番組には決して出さないという島田紳助だが、森三中にはなかなか手が出せない理由をこう説明する。

「大島の旦那は、バラエティー業界を牽引する放送作家の鈴木おさむ。彼はお笑い界はもちろんのこと、ジャニーズや研音などの大手事務所からの信頼も厚い。いくら紳助とはいえ、やり手の放送作家を敵に回すことはできませんよ」(前出)

 実は水面下でやりたい放題の島田紳助を潰そうとする動きがあるという。それが人気放送作家の面々であるというわけだ。いくら島田紳助でも、人気放送作家にそっぽを向かれたら立ち行かなくなってしまうのだ。

 千原ジュニアやブラックマヨネーズ、チュートリアルなど次にゴールデンで冠番組を持つであろう芸人たちもひしめいている。彼らが名実共にテレビの主役となるのはもう時間の問題だ。慧眼豊かな島田紳助にもそれは分かっているだろう。今後どう彼が身の振り方を演じるのか、来年あたりが見ものである。
(文=峯尾/http://mineomineo.vox.com/

自己プロデュース力

 
特技:大衆ウケする一発屋のプロデュース

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